調子に乗ってもいっこ。

上と同じ放送局での話。
もしかしたら何年か前にも披露したかもしれんので2度目の向きにはスマン。

ある日、女性社員が、地元の誰だったかをゲストに招いて収録をしていた。
俺は別の部屋で編集か何かをしていた。
そこに、その社員が青ざめた顔をして入ってきた。
「これ…聴いてみてもらえますか…」。
恐る恐る1枚のMDを俺に差し出す(時代がわかるなw)。
何分何秒のとこです、と彼女。
俺は技術も兼ねていたので、何かトラブルがあって上手く録音できなかったのかと思いながら、言われた部分を聴いてみた。

彼女が聞き手になり、ゲスト(おっさん)がインタビューを受けている。
しゃべっているのはその2人だけだ。
ゲストが口下手らしく、会話のそこかしこに間ができている。
まあそんなのは後でいくらでも編集してしまえるのでさしたる問題ではないし、音もちゃんと録れている。
はて…?と思いながらなおも聴いていくと、突如「○△×□!」と、彼女でもゲストのでもない、男とも女とも、日本語とも英語とも中国語ともつかない、だが明らかに人が何かしゃべったような声が聴こえてきた。

俺はヘッドホンを外し、「もしかしてこれ…」と彼女に訊いた。
「スタジオには私とゲストさんしかいなかったし、扉はきちんと閉めてたんですよ、でもこれ人の声ですよねえ…もうイヤぁ…」、顔面蒼白ガクブルの彼女。