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サタンが主人公の小説

不思議な少年
マーク・トウェイン著
http://ww5.tiki.ne.jp/~gakurou/library/fsgn.htm

オーストリアの田舎の少年たちの前に、堕天使サタンの甥だという、天使サタンが現われた。
サタンは、奇蹟も起こせたが、病気の人を助けると言っては、殺してみたり、
人を幸せにするといっては、気を狂わせてみたりする。

そしてサタンは、少年たちに、様々な人間の悪行、醜さを見せつけ、
「この世の物は、全て馬鹿げた夢だ。ただあるのは、空虚な空間と、
君の思惟だけだ」と言い残し、消えていく。少年は、その言葉に真実を感じていた。


サタンが少年たちを 拷問を受けている異教徒の前に連れて行く。
少年が「何という残忍で、獣みたいなやり方だ」と言うと、サタンは「あれこそが人間のやり口なんだよ。
獣みたいだなんて、とんでもない言葉のはきちがいだな。
獣のほうが侮辱だと怒るよ。あんなことは、獣はしやしない」と言い、人間の道徳や良心のいいかげんさについて罵る。


サタンは少年たちを、魔女の濡れ衣を着せられた女性が 処刑される場所へ連れていく。
その女性が処刑された後、見物人たちはその女性に石を投げ始める。
少年たちは、本当は石を投げたくはなかったが、他の人の目が気になって、石を投げてしまった。その様子を見て、サタンは笑い始める。 
「ぼくは人間ってものをよく知っている。羊と同じなんだ。いつもいつも少数派に支配される。
多数に支配されるなんてことは、まずない。いや、絶対にないと言ったほうがいいかもしれんな。
感情も信念も抑えて、とにかくいちばん声の大きな一握りの人間について行く」と。