前に、ガリレオという科学雑誌で切り込んだ対談内容が載っていたのを見た。

『しかし数式の美しさはですね。理論の見事さと調和する訳ですよ。
こういったことはね、科学の正しさをよりいっそう証明すると同時に、それ以上のこと、

つまり普遍性自体が生きとしいけるものすべてに秘密裡にそれ以上のことを
語りかけているということが言えると思いますね。』

「なるほどね。しかしですよ。そういった美的な見方、感じ方というのは、
人類特有の感情に過ぎないと私には思えますね。

というのはですね、数式の美しさやその他もろもろの科学における調和の感情などは、
例えば巨大な銀河をビー玉くらいに感じるくらいの知覚を持つ生物には通用するとは思えないですね。

つまり人類レベルの知性や感性にしか共通しない調和に過ぎないんだと思います。」


また、仏教者と科学者が対談する本などでは、

『しかしながら宇宙のあり方を知るということは、人間にとって有益ですよね。
科学は多くのことを教えてくれる。』

「いや、人に重要なのは苦を滅する知や生の意味に気づく知であって、
星の距離や構成成分などの知ではないですね。」