山道で迷った話しで思い出したけど
うちの亡くなった親父が子供の頃に山菜採りに山奥に入ったら、獣道を猟師のような格好した男が歩いてて
しばらく歩いていたら追いついてしまった。
人1人分しかない道なので、声かけて抜かそうと思ったが、声が出ない。視線もその男の足元から外せなくなった。
手は自由に動くが、足は止まらずに延々とその男の2メートルくらい後ろをついて歩く事になった
後ろに自分がいるのに前の男は振り向きもしないし
獣道から外れてどんどん山奥に入って行くので
これは完全に怪異の類と思って必死に足を止めようとしたり、大声で助けを呼ぼうとしたけど、どうしてもできず、だんだん日も暮れてきた
何時間も歩き続けたせいか、親父は妙に冷静になり、こりゃーどうしようもないなと胸ポケットからタバコを出して火をつけ、ひと息 ふぅー っと煙をはいたら身体がふっと軽くなって前のめりに倒れこんだ
周りを見てみるとさっきの男はおらず
全力で走って山を降りてなんとか帰ってこれたそうだ