この互いに刃物を持ってるという設定ですが、幻術の初歩というか由来ではないかと思っています。
互いに刃物を持ってるからこう動かざるを得ない、こう避けたら危ない、こうせざるを得ない・・・等々、
武術独特の原理動や戦術が生まれる訳で、徒手の格闘は現実の命のやり取りでは有り得ないという前提です。

こうして、特殊な原理や前提を行使しながら技を追求していくと、互いの約束事を守りながら戦う事になるので
独特の世界観を共有しながら動くことになり、それが幻術の始まりとも言えると思いますよ。
ここでは互いの手に刃物があるという幻ですが、やがてこれが殺気や次の相手の動きを読む事に繋がり
その隙を突いたり、反応できない意識の裏を衝いたり、だんだんと催眠術的な世界が展開されるという訳です。

例えば、相手がまさか自分はこんな反応をしないだろうと自分で思ってる所を衝いてやると一瞬動けなくなったりします。
その瞬間に意識に空白を作ってやると金縛りにあったり、暗示に懸りやすくなるのです。
ウチの先先代は、このやり方で「お前の服に火が付いてるぞ」と暗示をかけ幻覚を見せ、敵の戦う気を削いだそうです。