京都に鳥居がたくさん連なっている神社って言えば、どこだかすぐにわかると思う。
友人と二人、その神社にお参りを兼ねて赴いたときのこと。

途中、休憩場所が何ヶ所かあるんだけど、畳敷きのある休憩場所で外を見ていたら
ある木の枝に黒く丸いものが浮いていて高速回転していた。
結構大きいから「友人にあれなんだと思う?」と尋ねたら、どうやら友人はそれが
見えないみたいで、ああそういうものかと突っ込むのをやめた。
神社だし、きっと狐にでも化かされてるんだろうと。

その日は人が閑散としている日だったのか、擦れ違う人がほぼいなかった。
休憩所の人にも聞いたら「平日だし祭礼も行事も無いから」と返事があった。
なるほどと思いながら休憩所を後にして、階段を上がって行くことにした。
友人とゆっくりゆっくり上がり、途中止まっては上ってきた景色を眺める。
誰もいないしと思っていたが、後ろからジョギング姿の男性が上ってきたので
友人に「片側に寄ろう」と言った。それまで並んで歩いていたから。
場所は真っ直ぐな一本道で鳥居が隙間無くある場所で、10段くらいの後ろの階段に
男性もいたのですぐに追い越すと思ったのだが、幾ら待っても誰も追い越さない。
変に思って再度振り返ったのだが、結局誰もいなかった。
後から友人にも「誰もいないのに片側に寄れって言われて変だと思った」と言われた。
とりあえす、まぁ、いいかーと思い、そのまま上っていったが、時間も時間だし
そろそろ引き返そうかと友人に言われたので、じゃぁ、次のお堂があるとこまでと
言うと数分もしないうちに何とも言えない場所に出た。
小さなお地蔵さんがたくさん並んでいて五百羅漢のような場所。
約束どおり、もと来た道を引き返し、無事入り口へ戻ることが出来た。

後日、友人から連絡あったのだが、最後に行った場所がどうしても神社にない場所
だと言う。神社マップにも、誰に聞いてもそんな場所は無いはずだと言われたらしい。
写真はさすがに撮ることを控えていたので何も撮らずにいたが。
もしかして、最初から最後までお狐様に悪戯されてたんだろうかと友人は笑ってた。
とりあえず戻ってこれて本当に良かったと思う。