0290本当にあった怖い名無し@無断転載は禁止
2017/04/27(木) 20:44:19.82ID:L7uBQvNM0決まった時間に鳴るようになった。しかし、その電話を取ろうとする者は誰もいない。
その部署の電話機には、発信先を知らせる液晶のディスプレーがついている。
そして、定刻に電話が鳴った際には、必ず「ある場所の電話番号」が表示されている。
番号は、この町にある公共施設のものである。もっとも、その施設は津波にのまれて全壊
しており、現在は更地になっている。つまり、電話線はおろか建物自体がないのである。
ならば、一体、誰がどこから電話をかけているというのか。
気にはなるものの、とても確かめる気にはなれない。
そんなわけで、職員は誰も電話を取らなかった。
震災から1年ほどが過ぎても「定刻の電話」はやむ気配を見せなかった。
「電話の鳴る時刻が何時か」を聞いた。時間は決まって午後3時過ぎ。
ちょうど津波の来た時刻であるという。》