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ただの女友達と遊びに行った時の話
0001のほほん名無しさん
垢版 |
2021/06/14(月) 21:19:17.65ID:FH/bvDKu
本文では、相手のことを「彼女」と表記していますが、実際はただの女友達です。初スレ立てなので、不備があると思いますが許してください。オチは無いです
0002のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:26:24.58ID:FH/bvDKu
長い間彼女を待っている。
チェリーボーイは待ち合わせ時刻より凄まじく早めに来てしまうと云うが、ついに自分もそんな現象に鉢合わせてしまうのかと肩を落とす。
時折来る、今向かっているという旨の連絡がとても温かく感じられた。バス乗り場1で集合ということにしている。
コンクリートを硬い靴の上で歩く、コツコツという音が一層大きくなった気がした。
もう着くというDMで、一日千秋の思いはピークに達した。
不意に彼女が現れた。可愛らしい風貌と服装の中に隠された女性らしさが、中学校で会っていた時(今は別々の高校)のギャップを感じさせ、驚いた。
0003のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:31:23.56ID:FH/bvDKu
すぐにバスが来る。一緒に遊ぶのでもちろん隣の席に座るのだが、それが奇跡的なように思えた。
彼女の隣に座る。匂いや瞳の美しさが際立った。
会う前では、会話が止まって沈黙が続いたら相手はどう思うかなぁと非常に不安があったが、予想に反して彼女が投げかけてくれた話題をよく噛んで返すような、良い返答ができた気がする。
あの人の話題はずっと数人の他の男のことだった。何度も他の男とのLINEを見せてくる。
匂わせているのかと心のどこかで思ってしまった。が、所詮僕のことなど全く気にせずに話したいことを話していたのだろう、そう思うことでやるせなさから逃げることが出来た。
声が心地よい。低音がよく響く、少しハスキーな話し声だ。あの人の声をもっとちゃんと聞くために周りの乗客には黙って頂きたかったが、そんな願いは叶わぬようだった。
0004のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:35:09.81ID:FH/bvDKu
あっという間に目的地に着く。ずっとバスの中で雑談をしていたかったが、せっかく遊びに来たのだ。楽しむしかない。
彼女との遊び場所は、所謂「まさにデートスポット」と言えるところだった。
狭い、舗装された森の中に点々と洒落た店が並んでいる。
森の中を颯爽と歩く彼女の写真を何枚も撮るんだと息巻いて、一眼レフカメラを持参してきた。しかしさすがチェリーボーイ、あの人に向けるレンズはなく、ただよく分からないところを何枚か撮っただけであった。目的を果たせなかったカメラが、足を踏み出すごとに所在なさげに揺れる。
0005のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:39:55.95ID:FH/bvDKu
ほぼ全ての店を回ったが、どれをとっても同じようなラインナップで、それでいて異常に高い土産品ばかりであった。
興味ありげに商品を見ていたが、結局は彼女と並んで歩けるだけで充分だったのだ。
最後にカフェでくつろぐことにした。待ちに待った雑談タイムである。僕はカフェラテ、彼女はいちごミルクとどんぐりクッキーを頼んだ。
対面、透明な壁で隔てられた席に座る。対面であるため、目と目が合うと気恥ずかしいものがある。やはり彼女は美しい。
潤んだ目。小さな顔。スラリと流れる鼻筋。小さく収まった小鼻。笑う度こぼれる、清潔感のある白い歯。
また彼女は他の男の話をする。同じクラスに「推し」なるものがいるらしい。会ったこともなく不憫ではあるが、その男のことが心底憎く感じた。
0006のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:46:58.44ID:FH/bvDKu
頼んだ飲み物が届く。透明な壁越しに乾杯をする。
彼女は匂わせのストーリーを出したいのか、スマホを手に滑らせ、おずおずとレンズを2つの飲み物に向ける。
だが匂わせのストーリーに載ることは不本意であるため、僕はカフェラテを手に取り席を立った。
彼女は目を丸くしてこちらを見る。そして僕は言葉を言い放った。「どうぞ」、と。
今思い返すと、なんと器の小さなことかと驚愕に値する。
そもそも匂わせストーリー目的である確証はないのに、写らないようにと逃げたことはまさに小心者の行いである。恥ずかしくてたまらない。
そして彼女から思い出を1つ奪った僕は、一気にカフェラテを飲み干す。先程から悪手でしかない。仕方ないではないか。初めてだもの。
休みなく彼女は「推し」の話をする。ここで僕は一手打つことにした。話題の路線を変え、可哀想だが勉強の話をすることにした。
作戦はうまくいき、しかも同じ大学を目指しているという情報を入手することに成功した。
彼女もいちごミルクを飲み終わり、営業時間終了が間近になってきた。残念ながら帰る時間がやってきてしまった。
0007のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:52:30.90ID:FH/bvDKu
帰り道も彼女に釘付けだった。綺麗に手入れされた髪が風になびく。茜色に染まった空をバックに歩くその人はモデルにさえ見えてしまう。
揺れるバスの中、彼女は微塵も疲れを感じさせない表情で、また男の話をし始めた。さすがにもの悲しくなった。諦めそうになった。
彼女は途中のバス停で降りるようだった。家が近いらしい。
あっという間に彼女は消えていった。
彼女は窓側に座っていた。空いた席を詰める。
席に残る暖かい感触があった。ずっとその温度を感じていたかったが、悲しいかなすぐに無くなってしまった。

それからは機械的に、駅前に止めておいた自転車に跨り、帰路につく。
彼女の背景に見た茜色の空はもうなく、ただの、本当にただの夕焼けであった。
明日からは何を楽しみに頑張ろうかと思ってしまう弱い自分に辟易とした。
今日の出来事を、味がなくなっても何度も反芻してしまうんだろうなと頭を垂れた。
0008のほほん名無しさん
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2021/06/14(月) 21:52:55.89ID:FH/bvDKu
終わりです。
もし見てくれてる人がいたら嬉しいです
0009のほほん名無しさん
垢版 |
2021/06/14(月) 22:45:02.81ID:???
いつの話ですか?
最近の話なら、また、遊びに誘ったらいいんじゃないですか?
後日談が聞きたいです。
0010のほほん名無しさん
垢版 |
2021/06/14(月) 23:16:33.88ID:FH/bvDKu
読んでいただきありがとうございました!
この話はつい最近、6/12の出来事です
遊ぶことを取り付けれたのも偶然みたいなものなので、次もいけるか分かりませんが善処したいと思います…
0011のほほん名無しさん
垢版 |
2021/06/15(火) 06:51:30.68ID:/ofx4rER
また何かあったらここに書き込みます。
0012のほほん名無しさん
垢版 |
2021/06/17(木) 22:43:00.04ID:acqxSRAq
進捗です。

彼女とは毎日DMをする。
内容は言うまでもなく、見るに堪えないようなものばかりだ。いわば、その場しのぎの時間稼ぎのようなものである。
たわいの無いイジり合い、どこかから拾ってきた誰かの恋愛話、将来の話。
ただ僕はそれで満足していた。不定期に来るそれは、彼女との繋がりを、命綱を日常たらしめるものだった。
しかしである。
ある日ぱったりと、相手からの連絡が来なくなったのである。焦る僕、何度も会話履歴を見ては閉じ、見ては閉じの繰り返しだ。
あくる明け、彼女を画面越しに待つ。来ぬ。
その時だった。僕にとっては一世一代の大事件の襲来。
既読スルーされていたのである。それも会話が終わるような流れではなく、だ。
知らぬ間に既読され、無言を用いて言葉を返してきたのだ。これほどショックなことなど、今までにあっただろうか。
事件発覚からとうに3日が経つ。その日以降の連絡はもう無い。追撃など専らするつもりもない。ただ彼女が忘れられない。
もう既に、生きる上での楽しみの半分が急に、ある日突然取り上げられた瞬間であった。
0013のほほん名無しさん
垢版 |
2021/06/30(水) 17:46:48.81ID:???
既読スルー常習犯の私に言わせれば、既読スルーにはたいした意味はないですよ。
それで、悩まれるなら、考えなくっちゃだなぁ。
0014のほほん名無しさん
垢版 |
2021/08/23(月) 02:11:19.13ID:umktpHmr
需要がないと思いますが自己満で続きを

結局、あの既読スルーはいつの間にか付けていたものだったらしい。そこまで深刻なものでもなく、杞憂に終わった。
あれから数ヶ月、彼女とはどこにも行っていない。しかし1度だけ、また誘ったことがあった。夏休み、2人で青を楽しみたいと心のどこかで思っていた。
憎むべきはコロナ、コロナのせいであっさりと、僕の思いは断られてしまった。もしかしたら、いやきっとコロナのせいではなく、面倒な僕の誘いを断るための便利なご時世を使ったまでなのだろう。収束したとしても多分誘うことはもうない。
0015のほほん名無しさん
垢版 |
2021/08/23(月) 02:18:05.98ID:umktpHmr
そして、高校に上がって早5ヶ月の彼女に、ついに好きな人ができたらしい。


色々聞きたいことはあった。どこで知り合ったのか。どんな人なのか。どこが好きなのか。

ただ、ただの男友達の僕には聞く勇気は無かった。それを聞くことは、好きな人がいるということがより現実味を帯びてくるということだ。リアリティを持ったそれと対峙した時、僕は普通でいられるだろうか。
興味が無いと割り切りたかった。でも気になりすぎて頭がおかしくなりそうだった。実はいないのではないか。そんなわけないか。
容姿も、性格も、声も、言葉の一粒一粒も、完璧と言うには足りないほど優れている彼女が、1人の男を狙って、まず外すことは無いだろう。彼女のスペックを疑いたくなった。
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