>>308
T:イラストについても、それが人の容姿や姿態を描写したものであれば、みだりに公表してはならないとされています(最高裁平成17年11月10日判決・和歌山毒カレー事件)。人物写真をもとに描かれたイラストでも同様で、モデルの許可がなければ肖像権の侵害となる可能性があります。

ただイラストの場合は、写真よりも作者の主観やタッチが作品に反映される割合が大きいため、肖像権の侵害にあたるかはイラストの特質を考慮した上で判断しなければならないとされています(同最高裁判決)。

F:具体的にはどのように線引きされるのですか?
T:先ほどもあげた新ゴーマニズム宣言事件の判決が参考になります。

つまり、写真のように写実的に描く「肖像画」ではなく、作者がデフォルメして描く「似顔絵」なら、肖像権の侵害にはあたらないと考えられます。