伊藤和子
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長

山口真帆さんの卒業は、声をあげた被害者が職場を追われる著しく不当な結論です。
事件を発信した際、社長は「不起訴になったことで事件じゃない」と述べたとされますが、
不起訴でも所属アイドルに起きた被害、人権侵害である以上、再発防止は運営の責務です。

「会社を攻撃する加害者だ」など、ハラスメントの被害者をトラブルメーカーとして責めるありえない暴言です。
事件について目を「そらさないなら辞めろ」というのは違法な退職強要に該当するでしょう。

NGT48と山口さんの契約は形式上は委託契約等でしょうが、実態からみて雇用類似の契約と考えるべきで、
運営は職場環境調整義務、安全配慮義務を負い、違法な退職強要は許されないはずです。
山口さんに犠牲を強いる解決は明らかに不当です。

本件はAKSのアイドルに人権が保障されていない現状を改めて露呈した
由々しき案件であり、このまま終ることは到底許されないでしょう。