■あの人はいま・・
元NGT・韓流ファッションヘルス店店主 荻野由佳さん(26歳)

2025年、紅白歌合戦。
乃木坂46のセンター・与田祐希と日向坂46のセンター・小坂菜緒というアイドル対決を、TVでじっと見つめる女がいた。自身も16歳でアイドルデビューした、荻野由佳さんだ。

「凄いですね…」感嘆しながらも、どこか寂しげだ。
「今でも時々夢を見るんですよ。私がセンターであの舞台に立つ夢をね。こんなことを言ったら笑われますけどね」

●難関オーディションを突破してNGT48に所属。不動のセンターで一部のコアなファンから熱狂的な支持を獲得すると、当然のように自らのルーツである韓国に活躍の場を求めた。
争奪戦の末韓国大手プロダクションに移籍し当初は活躍を見せたが、韓流アイドルの壁は厚く歌・ダンス・演技とも全く通用しなくなり、度重なる整形手術やダイエットの失敗などもあって2年で解雇された。
その後は再び日本に渡り、MUTEKIでデビューしたが、ここでも目立った活躍はできず24歳で芸能界から引退した。

引退後は韓国各地でのフーゾク修行を経て、今は千葉県で日本初の韓流ファッションヘルス店を営む傍ら、地元のダンスチームのコーチを勤めている。

●「オソオセヨ(いらっしゃいませ)!」。東武鉄道野田線鎌ヶ谷駅東口から歩いて30分。
「本場韓国の味 ファッションヘルスりざーど」のえび茶色の暖簾をくぐって店内に入ると、チマチョゴリに太極旗を頭に巻いた荻野さんが威勢のいい流暢な韓国語の掛け声で迎えてくれた。

「4月にオープンしました。暖簾の『りざーど』という文字はアイドル時代の太客である稲岡さんに左手で書いていただきました。
開店に合わせてフーゾク誌でも取り上げてもらったおかげで、県外から足を運んでくださるお客さんが多かったのは嬉しかったですね」

●とはいえ、苦労も尽きないという。
「自称フーゾク通は飛行機に乗って札幌まで出かけるでしょ。
私が修業した釜山の人気店『モルゲッソヨ』のサービスは勿論生ですから、フーゾクが素股だと信じ込んでる日本人にはモノ足りないようなんです。
それで怒られちゃったこともあるけど、それも修業のうち。
私の夢は日本中に本物の本場韓国のローションプレイを広めることですから、それまでは我慢、我慢です」

●かつての「夢」だったアイドルへの思いを聞かれると――。
「与田くんも小坂さんも、私より下だったんだけどな」とおどけたが、すぐに真顔になって続けた。
「キモヲタに気に入られることが才能だと思っていました。リバウンドさえ無ければって…歯がゆいですけど。
もうアイドルに未練はありません。今はフーゾク店を経営しながら少しでも収入がある男性を捕まえて結婚する事が、元アイドルとしての私の夢です」

その目はずっと遠くを見据えていた。

(写真)特製のローションボトルを手に笑顔の荻野さん