>>35の続き



いくら超美人の理佐ちゃんが忠告してくれても所詮は俺の心の中の理佐ちゃんだ

幻想みたいなもんでそんなに怖くない

遠くの理佐ちゃんより目の前のキャバ嬢なのだよ今の俺には

しかし、好事魔多しとは昔の人は上手い事言ったもんで楽しい時間は続かない

きっと俺は浮かれ過ぎていたのだろう・・・

盛り上がってるあいまにボーイさんに今幾らぐらい使ったって聞いたらとっくに持ち金をオーバーしとる・・・

冷静を装いつつトイレで沈思黙考する今更な俺

男の人生はいつだってギャンブルだ !一か八か無銭飲食かましたる!

追い込まれてるせいか極端な結論に走るどうしようもない俺

トイレの窓からは逃げれそうもないから正面突破しかないと覚悟を決める俺

席に戻ってキャバ嬢と盛り上がりながらもチャンスを伺う逃亡者な俺

しかし、捕まったら警察に突き出されて一生犯罪者の烙印を背負わねばならない

そうなると理佐ちゃんを世界一の幸せ者にするという俺の夢も潰える

なによりも俺を失った理佐ちゃんがこの厳しい世の中でどうなってしまうか

なによりも大切な理佐ちゃんの人生を背負った俺に
失敗は許されないというプレッシャーがのしかかる

よく見たらボーイさんめっちゃ怖そうだし

もう1回トイレで作戦を練ることにするか・・・

こんな時、トイレの個室は俺を落ち着かせてくれる

落ち着いた俺は理佐ちゃんがくれたお守りを思い出した

理佐ちゃんの言うとおり神様にお願いしてから逃亡するか、信じる者は救われるのだ
なんて溺れる者は藁をも掴むのだ

首からぶら下げたお守り袋を握りしめたら中になんか入っとる

「なんやろか・・・?」
首を傾げながらお守り袋を開けてみる俺

そこには理佐ちゃんの手紙と諭吉が3枚

きっと優しい理佐ちゃんがドジな俺を心配して入れといてくれたんだ

理佐ちゃんの優しさに涙止まらない俺が手紙を開いてみたら

「私の予想通りに困ってんじゃねーよ」
なんて書いててくれてそうな理佐ちゃんだから好き