約束を守らない、法律より感情を優先する、歴史を捏造する──そんな韓国のやり口に日本は振り回されてきた。
厄介極まりない隣人に我々はどう接すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が提言する。

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 韓国は1990年代に入って慰安婦や徴用工の強制性や個人請求権などを声高に主張し始めました。
理由は簡明で、日本の国力が落ちて中国が伸びてきたからです。

 日本が中国に比べて圧倒的に豊かで技術力でも優位に立っていた時代には韓国は文句を言いませんでした。
バブル崩壊で日本の勢いが衰え、中国が改革開放で力をつけるにしたがって韓国は中国寄りになっていきました。常に強い者に寄り添って生き延びてきたのが朝鮮半島です。

 昔から中国の事実上の属国だった韓国の人々は中国を過度に怖れる一方、日本に対しては歴史を捏造してまで優位に立とうとします。虚偽の優位性は彼らの生きるよすがでしょうか。

歴史において間違いを犯せば、率直に謝って償う気持ちを日本人は持っています。
しかし、いわれのない非難に対してひれ伏す理由はありません。
 問題解決の第一歩は、日本がもっと強くなることです。
繁栄していて強ければ、日本への批判はあからさまな形で出てくることはないでしょう。

また、韓国の無茶な主張に屈せず、理路整然と事実を示して冷静に「それは違う」と言い続けることも大切です。
事実を基にした論争ではこちらが絶対に強いのですから。
 韓国にあまり期待しないことも大事です。
“絆を深めよう”とは考えずに、“悪い関係でなければ幸せ”くらいの気持ちでいればいい。

 文在寅大統領は一貫性がなく、言うことがコロコロ変わります。
過去の発言との整合性を気にせず、矛盾したことをよく口にする人物ですから、彼の言葉を信用しないことが大切です。
両政府が合意したゴールポストは1ミリも動かしてはなりません。

 困るのは、朝日新聞をはじめ、日本側に韓国と一緒になってゴールポストを動かそうという勢力が存在することです。
「日本はもっと韓国と真摯に向き合うべき」が彼らの常套句ですが、その言葉をそっくりそのまま文大統領に向けてほしいものです。