サバの語源にはいろいろ諸説があるが、
「斑葉魚」(つまり斑入り魚)の接頭語と接尾語をとって、
「サバ」に転訛したという解釈をとりたい。
千葉県ではマサバを「ひらさば」と呼ぶが、
それはゴマサバ(まるさば)に比べてすこし平べったいところからきている。
 マサバは世界中の亜熱帯や温帯の海の表層にひろく分布するが、
日本近海には太平洋側の太平洋系群と
東シナ海から日本海に分布する対馬暖流系群の2つのグループが存在する。
太平洋系群のマサバは、未成魚(ジャミサバ)、成魚とも1〜6月を房総〜伊豆諸島域ですごし、
5月に入ると常磐〜三陸沖を北上回遊しはじめ、7〜9月には道東、あるいは三陸北部沖にとどまり、
10月頃からふたたび南下して、年末には犬吠埼沖に戻ってくる。
やがて、成魚は3〜6月(盛期は4,5月)にはさらに南下して、
伊豆諸島付近で産卵する。
 マサバは生涯動物プランクトンを主食にしているが、
未成魚や成魚は小型魚類も食べるようになる。