クイックリフトがもてはやされ始めた昨今、クロスフィットという言葉が一人歩きをはじめ、様々なトレーニングプログラムが公開される。

しかし、クイックリフトは今に始まったことではない。

究極の厚み、深みを備えた身体にはクイックリフトが不可欠。ある種のボディビルトレーニングだけを行っていても到底到達できない脅威の身体を目指すのならば、避けては通れない道。

しかし、一般人にとってトレーニング時間を捻出するのも難しい現代。
わずか10分の時間しか取れないこともあるだろう。

ただ、この10分で心臓は爆発寸前まで血液を送り出し、汗は吹き出し、握力はまったくなくなり、息も絶え絶えになる究極の筋量養成エクササイズがあればあなたはこれを行うだろうか。

ケトルベルスイング

私のやり方はこう。
16kg、24kg、32kgでウォーミングアップを行う。数分のことだろう。これで身体は動き始め、あなたの目の前には巨大な50kgのケトルベルが立ちはだかる。

グリップを握り、スイング動作を開始する。最初の数repで、「やめておけばよかった」とあなたは後悔するだろう。

背面部の筋肉は軋み、僧帽筋の付け根からカーフまで、身体のてっぺんからつま先まで、全身の筋肉が悲鳴を上げる。広背筋が盛り上がり、大円筋は飛び出し、固有背筋が上半身と下半身を何とか繋ぎとめる。

前腕は極度に肥大し、肩はこの巨大なケトルベルを支えるためにバスケットボールのように膨れ上がる。

わずかな時間。しかし、永遠に続くように思われる時間。まだ始まったばかりだ。

ケトルベルスイングは身体を過呼吸まで持って行ける種目だ。もう息が続かない。
手から滑り落ちそうになるケトルベルを指先に引っ掛け、それでも身体はスイングによる筋量養成の恩恵を得ようとrepsを繰り返す。

背面部はいまだかつてない究極のパンプを得ている。汗でひかる巨大な筋肉。タンクトップからはみ出した広背筋。盛り上がる僧帽筋。うねるハムストリングス。身体を支えるために広がったカーフ。

たった一種目。この一種目であなたの究極の背面部が出来上がる。

高重量、ハイレップスで行うケトルベルスイング。

ぜひ、ためしてみて欲しい。