冬、外は銀世界
ステヅラは母親にこう言いました
「頭がチンチンする」
そうです。ステヅラはハゲ散らかしていたのです
母親は何とかステヅラのハゲ散らかした頭を寒さから守ってやりたいと思いました
そしてヅラを買ってやろうと思いました
しかし、ステヅラと一緒に街を歩くのはどうしても恥ずかしい
そこでお金を渡し、ステヅラを1人で街に行かせる事にしました
お店への道を教えた後、母親はステヅラにこう言いました
『お店に着いたらドアをノックして頭だけ見せて、この頭にピッタリのヅラを下さいと言うんだよ。顔は決して見せてはいけないよ。ブサイクだから』
そしてステヅラは雪の中をママチャリを街へ向け走らせました
途中何度もコケましたが何とか街に着き、目的のお店の前まで来ました
そして母親に言われた通りお店のドアをノックしました
するとドアが少しだけ開いたのでステヅラは頭を突き出し
「この頭にピッタリのヅラを下さい」
と言いました
それを見た狐のお面を被った店主は『寒い中よく来ましたね。お代は結構ですよ』と言い、先程まで便器を磨いていたタワシをステヅラの頭に乗せてやりました
ステヅラは嬉しくなりました
ママチャリをすっ飛ばして家に帰り、母親にこう言いました
「頭がチンチンしなくなったよ!でも、代わりにチクチクするけどね」
そう言って笑ってみせましたが、母親は何故か涙を流していました
おしまい