SNSで「大漁」密漁自慢…海保が警戒、検挙も

福井県内の沿岸部で密漁した写真をソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿するケースが相次いでいる。

敦賀海上保安部は今年7月、密漁したアワビをフェイスブック(FB)に載せていた愛知県の30歳代の夫婦を、SNSを端緒に初めて検挙。
こうした投稿の多くに「大漁だ」などと遊び感覚でつづったコメントがつけられており、同保安部は「犯罪を助長する」として警戒を強めている。

海保によると、この夫婦は7月、南越前町の海岸でサザエやアワビを潜って取り、手袋などの道具とともに、FBに写真を投稿した。投稿を見た人から海保に電話で通報があり、職員が現場に急行。
夫婦は当初、「(貝は)買ってきた」と言い逃れようとしたが、投稿したものと同じ手袋が現場にあるなどしたため、職員が追及すると密漁を認めたという。

これまで密漁者の情報は、現場を目撃した地元の漁業者らから寄せられることが多かった。しかし、SNSが普及した近年は、FBの投稿などを見た県外からの通報も増加。
今年に入ってからだけでも、少なくとも3件あった。サザエやアワビなどの写真とともに、福井県内の海岸にいると記載し、「大漁だ」「天気も気持ちよくて、貝がたくさん取れました」などのメッセージが添えられていた。

ただ、通報で現場に駆け付けても、既に立ち去った後であれば、投稿の画像だけで密漁を立証するのは困難で、対応が難しいという。

1〜8月の県内沿岸部での密漁取り締まり結果まとめによると、SNS関連を含め、海保が検挙したのは51人87件で、昨年同期の38人72件を上回った。
密漁者の7割にあたる38人が県外者。密漁されたサザエは計1408個(80キロ)、アワビは52個(5キロ)で、1人でサザエを100個以上取っていたケースもあるという。(蛭川真貴)

http://yomiuri.co.jp/national/20171003-OYT1T50004.html
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