悪化する銀行のイメージ、公益性とのバランスが課題

銀行と言えば、かつては優良企業のイメージがあり、就職先としても人気がありました。子どもが銀行に就職が決まれば喜ぶ親も多かったと思います。
しかし、最近は銀行を題材としたドラマも増え、中小企業の社長が土下座して 「返済を待って欲しい」 と懇願しているにもかかわらず、銀行員が非情にも全額返済を求めるという姿が描かれるなど、銀行に対するイメージが悪くなってきています。

「銀行は晴れた日に傘を差し出し、雨の日に傘を取り上げる」 と言われるように、お金がある人に融資したいと思っており、お金がない人にはできるだけ融資をしたくないというのが本音です。
だから、どんなに良い事業計画であっても、預金残高が少なければ、融資を申し込んでもほとんど審査で落とされます。

銀行員が、お金がない人に融資したくない理由は、貸し倒れになることを恐れているからです。「審査が甘い」 と判断されると人事査定に響くわけです。
逆に言うと、十分な担保があれば、融資をしたお金は回収できるので、会社が潰れても構わないと思っています。
そのため、公的機関が信用保証した融資などはほとんどフリーパスで審査が通ります。銀行にリスクがないからです。

また、銀行は会社の業績が下がり返済が滞るようなことがあればすぐに回収に動きます。
良心のある銀行員は、このようなことに耐えられなくなり、心の病になったり、銀行を辞めたりする人もいます。