最早、彼の能力は完全に常識を超越していた。
潜入者は抵抗を諦める。

 「……分かったよ、あんたを相手にしても勝ち目は無いみたいだな」

 「賢明で助かるよ。
  では、正体を明かして貰おうか」

ダストマンの要求に、潜入者は間を置かず答えた。

 「俺は地下組織の構成員だ。
  最近、『忠臣の集い』が妙な動きを見せてるって事で、内情を探りに来た」

 「へー、地下組織の?
  魔導師……では無かったな。
  組織の名は?」