>>718

順序の転倒あり

>実際書いてみると、その文字は快感で、踊り、
>のたうち回った。

この一文は、本来、後述「産まれ始めたのである。」のうしろに置かれるはずだな
ただ、この順序転倒は、「作者が書くべき対象を記憶の中から取り出してあまり整理せずに書いている息遣い」の表現なのだ、とやや無理矢理に言えなくもない
正してしまうと、何の引っ掛かりもなくなる

>きを紛らしていた。
>はあ、苦しかった。もうやだ、こんなの。

ここも同様
硬い散文の雰囲気が、砕けた調子に急転していて、普通であれば訂正箇所
しかしこの直されていない感触を抜いたら凡庸にもなる
モニ氏の作品には、本人のキャラクターも相まってそう感じさせる、手のつけ難さがあると思う

全体
変則的な筆致に生々しさがあって、ある種楽しいのだが、
言い換えれば、書き方のおかしさで作者を近くに感じさせる点が目を引く、ということでしかない
つまり詩情、エッセイの趣、いずれの点で見てもまだ豊かでないから変わった点に目がいくということであって、
(考察の深さでも論理の飛躍でも何でもいいが)書こうとするものの深度が足りていない
誰にでも書ける感想の表面を変則的にコーティングするのではなく、
作者個人にだからこそ書ける内容だ、という前提を掘り下げる作業が必要では