自分の文章が上手いのか下手なのかさえ分からない素人です。最近文章に興味を持ち始めました。評価・添削お願いします。


ピアノを弾いていた。暗い部屋だ。カーテンから透けて射し込む夕陽以外にこの部屋を照らすものは何もなく、手元の鍵盤が少し見えづらかった。でも、問題はない。弾き慣れた指の感覚が視覚に頼らずとも正確に音を鳴らしてくれた。
少しだけ憂鬱な気分だった。この頃の自分には、訳もなく気分が沈み、ピアノと呼吸以外は何もする気が起きないといった日が、毎日のように続いている。
壁の時計を見ると、午後五時三十七分。今日も学校には行かずに、ただただ陰鬱な一日を過ごした。さみしいわけじゃない。ただ何となく、この頃は気分が優れないのだ。
学校には、二年前――中学一年の辺りから、殆ど通っていなかった。元々クラスでぽつんと過ごすタイプだったから、もう僕のことを覚えている人間なんていないだろう。
ふと、このピアノの部屋が、世界の全てであるような錯覚を覚えた。
いや、多分それは、錯覚などではなかった。
試しにカーテンを開けてみると、しかしそこには夕焼けの街並みが広がっていた。