X



トップページ創作発表
30コメント39KB
唯「さいきょう!」 [無断転載禁止]©2ch.net
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 13:27:16.50ID:ka5wZ7jt
立ったら書く
0002創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 13:31:19.39ID:ka5wZ7jt
いつも通りの時間

いつも通りのやりとり

いつも通りのティータイム

いつもと同じ楽しい時間が毎日続くと思ってた

律ちゃんの一言でその時間は打ち破られたのだった

律「なぁ唯〜軽音部の中で誰が一番強いと思う〜」
0003創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 13:37:15.54ID:ka5wZ7jt
私は特に何も考えずいつもの冗談のやり取りのつもりで気軽に答えただけだった

唯「ははーっ!勿論それは律ちゃん隊員であります」

律「うむ!流石唯隊員!わかっておる!くるしゅうない〜」

唯「ははぁ〜!ありがたき幸せ〜!」

こんな何でも無い冗談

いつもの事だと思ってた

なんでもない他愛も無い冗談

私だけは

シンッと部室が静まり返った

ビィン!

澪ちゃんが張り替えてたベースの弦が切れた

パリィン!

紬ちゃんの握ってたティーカップが割れた

ブチッ!

梓にゃんのツインテールをとめてたゴムが切れた

部室の空気が一変したことに流石の私も気付いた
0004創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 13:47:14.63ID:ka5wZ7jt
みんな無言で動きを止めてる

それぞれ向いてる方向はバラバラ

それなのに

なにかお腹をギュッと中から握られる様な

そんな嫌な感じが3人から漂ってくる

そんな空気に耐えきれず

私はこの空気を何とかしようと口を開いた

唯「で、でもでも澪ちゃんは背が高いし紬ちゃんは力持ちだし梓にゃんはすばしっこいから皆同じ位かもねぇ!」

ガンッ!

律ちゃんが持ってたティーカップを机に叩きつけた

何でこんな事になってるんだろう

何がいけなかったんだろう

私は頭を精一杯働かせて考えたけどわからなかった

どうしたらいいのかもわからなかった
0005創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 14:07:57.82ID:ka5wZ7jt
そんな重い空気を澪ちゃんが打ち破った

澪「ハハハッ!やだなぁ唯誰が強いかなんてわからないじゃないか、まあそれでも律には負けないけどなw」

律ちゃんがひきつった様な笑顔になった

律「あらあら澪ちゅわぁ〜ん、そんなに重たそうな体で私に勝てるなんた思ってるんでしゅか〜wそんな体じゃ梓にも負けちゃうんじゃないのかぁ〜w」

あずにゃんが抗議の声をあげるより先に紬ちゃんが割れたティーカップを片付けながら言う

紬「あらあらw確かに体が大きかったり重かったりすると動きにくいかもしれないけど、りっちゃんみたいにうすーい体してると叩かれても痛くないかもぉw」

追撃するようにあずにゃんが大声をあげた

梓「そうですよ!それに失礼ですよ!梓にもってなんなんですか!失礼にもほどがありますよ!」

紬ちゃんとあずにゃんの話をおちょくるように聞き流す律ちゃん

いつもと同じようなやり取りを繕ってるけどみんな目が笑って無かった

ひとしきり皆言いたいことを言うと再び沈黙が部室を包んだ

もう我慢できなかった

この空気にも我慢できなかったけど

何より.....

誰が一番強いか.....

私も知りたかった.....

唯「ねぇねぇ、じゃあさ皆で闘おうよ〜!」

私の口許はきっと不自然な程につり上がっているだろう
0006創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 14:21:22.50ID:ka5wZ7jt
皆私の発言にビクッとした

様子を伺うように皆が皆お互いの顔を見比べている

律「唯、お前いいこといったぞ」

りっちゃんがニヤリとしながら私に言う

あぁ、りっちゃんもきっと知りたかったんだ

誰が強いのか

自分がどれだけやれるのか

今まで自分を抑えてたんだね

澪「で、でも闘うってどーするんだよ!5人一緒に闘うって言うのか?そんなのただの乱闘になって本当に誰が強いかなんてわからないじゃないか!」

澪ちゃんも否定的な意見を言ってる様で

つまりそれは環境が整えばやりたいと言っている様な物だった

梓「そ、そうですよ!一人一人闘うにしたって5人じゃきりが良くないですし!それにルールだってどうするんですか!こんなの滅茶苦茶です!」

あずにゃん

本当に心配すべきは怪我だと思うよ

そこを心配しないって事は

あずにゃんもこっち側だよね

律「まあ確かになー、それに闘うなんて言ったって周りから見れば喧嘩だしなぁ。学校でやれば停学、外でやれば通報。まあどのみち無理ですねぇ〜」

肩をすくめて残念そうにするりっちゃん

部室の空気がゆるみかけた

紬「面倒事の対処は....私がなんとか出来るわ。でも、人が少ないのは確かね....」

ムギちゃんがケーキを食べながら一人で考える様に呟いた

また部室の空気がピンと張りつめたのがわかった
0008創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 14:33:00.06ID:ka5wZ7jt
ムギちゃんの呟きに皆がゴクリと唾を飲んだ

さっきまでの探り合いじゃなく

闘いたいという自分の欲求が皆から滲み出ていた

その時部室のドアが開いた

憂「こんにちわー」

純「梓ぁ〜、カフェ行く約束だろぉー遅いぞぉ!」

和「律!あなたまた講堂使用許可書出して無いじゃない!いい加減にしないとホントにライブ出来なくなるわよ!」

ムギちゃんがいつもみたいな優しい笑顔で呟いた

紬「ウフフ、これで8人ね」
0009創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 14:37:51.02ID:ka5wZ7jt
>>7
すんませんどっかで全部改行した方がいい的な意見を目にしてましたんで

40字ですねやってみます
0010創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 14:51:20.03ID:ka5wZ7jt
いつもなら和ちゃんに援護するかの如く澪ちゃんが律ちゃんに文句を言うだろう、でも今日はそうしなかった

律ちゃんが「まぁまぁちゃんと出しますんで」みたいな事を言いながら和ちゃんをなだめる

ムギちゃんがニコニコしながら憂と純ちゃんにお茶をすすめる。純ちゃんは「え、いいんですか?」なんて言いながらあずにゃんにお茶代浮いたねニシシなんて言ってる

憂だけがいつもと違う部室の雰囲気を感じ取って不思議な顔をしながらお茶を飲んでいた

律「さてと、ちょっと3人に話があるんだ」

突然の律ちゃんの切り出しに3人は驚いた表情になった。そりゃそうだろう、3人ってのは今入ってきた3人を指すわけでまさかこの組み合わせにお願いがあるなんて想像もしてなかっただろう

和ちゃんは怪訝そうな顔を律ちゃんに向けた。純ちゃんは戸惑うように律ちゃんとあずにゃんの顔を交互に見てる

憂は律ちゃんが何を言ってくるのかしっかりと体を向けて聞く体勢だ
0011創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 15:08:24.14ID:ka5wZ7jt
律「実はさっき話の流れで軽音部で誰が一番強いかって話になってさぁ、それなら闘ってみようって事になったんだけどちょっと5人じゃすくないかなぁなんておもってさ!」

よく言うよ律ちゃん
みんなまだハッキリと闘いたいなんて言ってないじゃん
でも誰もそこを否定しなかった
軽音部の総意として伝える事でこの3人がなるべく参加してくれる方向で話を進めたいんだろう

律「それでもし良かったら、怖くなかったら3人も参加してみないか?まだ細かい話はしてないからまあ3人が断ったらこの話は保留って事にしようかなぁみたいな」

律ちゃんが悪魔のスパイスをさりげなく混ぜこんだ

怖くないなら

こんな事を言われたらもしこっち側の人間なら断れる筈がない、挑発気味に3人を巻き込もうとしているのがわかった

純「ぜ、全然怖くないですよーだ!寧ろ先輩方を返り討ちにして下克上狙いますんで!」

純ちゃんが食いついた
0012創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 16:13:07.85ID:ka5wZ7jt
律「じゃあ純ちゃんは参加ね」

純ちゃんの参加表明で他のみんなの目がキラキラ....こういうのはギラギラって言うのかな?

兎に角現実味を帯びてきた事で皆の期待が一気に膨らんだのは間違い無いだろう

和「聞きたいんだけど」

皆の顔に緊張の色が走る
多分皆は和ちゃんが一番参加させるのが難しいと考えてるんだろう
実際、学校での和ちゃんは生徒会会長であり真面目を絵に書いたような生徒だ、こんな面倒事に首を突っ込むどころかそれを辞めさせる側の人間。表向きはそう見えるだろうね

和「貴女達がやろうとしてるのは一般的に言えば喧嘩よ、そんなことを人目のつく所でやれば学校内外関係なく何かしらの問題になるわよ」

紬「それは私がなんとかするわ。いざ闘いが始まったら教師に止められたり通報されたりなんて、そんなの全然面白く無いんだもの。琴吹家の人間を使って人払いなり騒ぎにならない様にするなり手を打つつもりよ」

ふぅん、と和ちゃんが頷く

和「安全面に関してはどうするつもりなの?」

紬「それもこっちで出来るだけ対策はするつもり。素手で殴り合ったりしたらお互い大怪我しちゃうし目や脊椎なんて場所への攻撃をしちゃったらもうそれは果たし合いだもの。あくまで腕試しの範疇で、かつ実力を納得いくまでお互い闘える様に段取りは惜しまないわ」

冷静に話してる様に見えてムギちゃんから殴り合うなんて言葉が飛び出した。きっとムギちゃんも必死なんだと思った
和ちゃんさえ取り込めば後は憂、憂なら私が言えば参加させることは容易。ここが正念場だとみたんだねムギちゃん

フフッ、それにしてもムギちゃんから殴り合いなんて言葉が出るなんて....ムギちゃんも好きなんだね

和「そ、なら私も参加するわ。細かいルール決めも私が参加した方が安全性が高まると思うし」

みんなあっけにとられていた。あの和ちゃんがこんなにも簡単にこんな事に参加すると言ったからだ

でもね、私にしてみたら和ちゃんが一番こういうの好きなんだよ、意外でもなんでも無いよ

律「それじゃあ後は.....」

皆の視線が憂に集まる
憂はうつむき加減で何かを考えている

暫く沈黙が続いた後、憂が顔を上げて言った

憂「お、おねぇちゃんが参加するなら.....」


こうして8人で誰が一番強いのか
それを決める闘いが決まったのだ

果たしてこの闘いの先に何があるのか?
また、ふわふわした軽音部に戻れるのか?
皆と友達で居れるのか?

わからない
わからないけど....みんな試したくて試したくて
不安よりも喜びが勝っている

皆いい表情してるよ
0013創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 16:41:13.51ID:ka5wZ7jt
それから細かいルールや対策の話し合いになった
あずにゃんなんて普段練習以外の話をするとすぐに怒るくせにまるで修学旅行の打ち合わせをするみたいにワクワクしてるのがわかった

皆の意見が飛び交うなか、やっぱりと言うか当然と言うか。和ちゃんとムギちゃんの提案がおおむね軸となった

試合開始の合図はムギちゃんが支給するオープンフィンガーグローブを着用すること
これで内蔵されたチップで静脈から脈が検知され二人分の脈が至近距離で検知されたらムギちゃんの家の人が試合のレフェリー役みたいなのをしてくれるみたい
なんだかよくわからない許可証みたいなのを発行するみたいで、騒ぎになったらそれを見せれば万事収まるとの事

流石ムギちゃんだね

試合方式は現存する総合格闘技のルールとほぼ一緒、ただ大きな違いは武器の類いで無ければそこら辺にあるものを自分の有利に働くように使っても良いとの事

ここはやたら和ちゃんがこだわっていた
「いちいちあれはダメ、これはダメなんて言ってたらそんなのお遊戯よ。あるものを活用して闘う頭だって立派な力なんだから」なんて言われたら皆納得するしかない

後はムギちゃんの家の人がこれ以上は危険と判断したら止めてくれるらしい
あくまで格闘技の枠の中での闘いだからこれは仕方ないよね

ムギちゃんが皆にオープンフィンガーグローブを支給したらその時からいつでも闘いを挑める
場所もどこかの屋上とか交差点のど真ん中とか明らかに危なく無い場所ならどこでもいいみたい

そして部活の時間にはいつも通り集まる事になった
そこでその時までにあった闘いの結果と大まかな内容が知らされる
とんだ放課後ティータイムになっちまったななんて律ちゃんが笑ってたっけ

ルールが決まって後は準備が整うのを待つのみ

最初は誰と闘おう
皆同じ事を考えてるみたい
あずにゃんと純ちゃんは上級生下克上同盟なんて結んでるみたい

ルールが決まって解散してから数日はいつもと変わらない日が続いた

紬「みんな〜例のも用意できたわよ」

ムギちゃんの一言で私たちの闘いが始まった
0014創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/19(金) 16:44:04.69ID:ka5wZ7jt
例のも× 例の物○
誤字脱字多くてすいません.....
0015創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 14:35:26.59ID:wAinIFBm
田井中 律



さっきムギからオープンフィンガーグローブを渡された
皆嬉しそうに受け取り使い方の説明を聞いていた、と言っても要するに闘いたい相手の前でこれをはめるだけだ
後は相手が拒否せず応じてくれれば試合開始

隣で歩く澪もオープンフィンガーグローブを眺めながらなにやら考え事をしている
言ってしまえば....私が一番闘いたいのは間違いなく澪だろう、澪だって多分だけど私と闘いたいに違いない
つまり今これをはめてしまえばそれは叶う訳だ

でも....なぜだか踏ん切りがつかない
澪も一緒の考えなのだろうか、グローブを見ては嬉しそうにしたり考え込むような顔をしたりと表情が目まぐるしく変化している
.....それなら私が......
そう思った時澪が口を開いた

澪「なあ、律」

律「なんだ、澪」

澪「私たちの試合なんだけどさ.....」

私は鼓動が高まるのを感じていた
澪もやっぱりそれを考えていたのだ
つまるところ、今ここでなら誰の邪魔も入らないしお互い万全の状態で闘える
やるなら今がベスト、そう言う事だろう
だけど澪の口から発せられた言葉は意外なものだった

澪「私たちは....最後にやらないか?」

最後....つまり全員に勝ち抜いて残り二人になったらやるって事だ
そんなまどろっこしい事なんてしなくても今すぐ闘える、でもそれは違うと澪は考えたのだろう
私も理屈じゃわからない、今すぐ澪と闘いたい
でも....なぜだかためらいがある
それなら澪の考えを飲んでしまおう
そう思った

律「そうだなぁ〜、軽音部の絶対的信頼の象徴である私こと田井中律ちゃんとわれらがアイドルの澪ちゃんの試合ならそれなりの状況でやるのが一番かもな〜」

なんて軽口を叩くと澪から調子に乗るなと重い突っ込みの一撃をもらった
言葉にはできない、でもなんとなくわかる
私も澪と、全員倒した先で闘いたい
そう思った

澪「負けるなよ、律」

澪の言葉にいつもならふざけて返すところだが今はがらにもなく黙って頷く
澪を見送りながら私は、誰にも負けてたまるかと強く思った

純「でもまあ、律先輩は私たちの下克上の最初の餌食ですよ」

電柱の影からオープンフィンガーグローブを装着した純ちゃんがゆっくりと私に近づいてくる

やってやろうじゃん
負けてたまるかよ

私もオープンフィンガーグローブをつけて
純ちゃんの前へゆっくりと歩みを進めた
0016創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 16:57:01.15ID:wAinIFBm
田井中 律


純ちゃんとの距離を計りつつステップを踏む
腕を顎の高さまで上げて余計な力を抜く

私のベースはボクシングだ
中学の頃にドラムには体力が不可欠だと思い走り込みや筋トレを始めた

が、おもしろく無くてすぐに飽きた
そんな折りに近所のボクシングジムの貼り紙を見たのがボクシングを始めたきっかけ

やってる事はロードワークだったり筋トレだったりとあんまり自分のトレーニングと変わらなかったけどここだとヘンテコなボールやサンドバッグを叩けたり、何より大人の人が遊び半分でスパーリングをしてくれて楽しかった

皆が女の子のわりにスジがいいねなんて誉めてくれて益々やる気になったりもしたものだ


相手との間合いを計りつつ出方を見る
すると純ちゃんが見たことも無いステップを踏み出した

律「遊んでる訳じゃ....ねぇよな?」

純「大真面目ですよ」

まるでダンスにも見えるステップを見せながら純ちゃんもこちらの様子を伺ってる

なんつーか
やりにくいなこれは

悩んでもしょうがないし悩むのはがらじゃないんで挨拶がわりにジャブから見せてやることにした
0017創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 17:05:40.30ID:wAinIFBm
鈴木 純


一緒に途中まで帰ってた梓が先輩達に認めさせてやるです!なーんて息巻いてたっけ

梓と別れてCDショップで物色してたらショーウィンドウ越しに澪先輩と律先輩が見えた

二人共幼馴染みって感じで仲良さそうに歩いてるけどやっぱりなんだかぎこちない

もしかしたら二人の試合がみれるかもなんて軽い気持ちで後をつけたら意外な会話が聞けた

みんなを倒して二人で闘う

なんていうか愛の告白みたいで格好良かった
でも、そういう綺麗なお約束には障害がつきものなんですよ

梓の言ってた下克上なんて言葉が頭をよぎる
いいじゃん
なんか格好いいかも

澪先輩が律先輩と別れてどっちを追い掛けようか悩んだけどなんとなく律先輩の方がサッパリしててやりやすそうだった

さてさて一回戦の幕開けと行きますか
身を潜めてた電信柱から、律先輩に声を掛けながら出る

純「でもまあ、律先輩は私たちの下克上の最初の餌食ですよ」

うわぁ、なんて言うか悪者みたいな台詞
よく言えたね

でもこれで後戻りできないや
覚悟を決めて律先輩の元へと歩みを進めた
0018創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 17:19:37.49ID:wAinIFBm
鈴木 純


さて、間合いに入ったのでステップを踏む
「ジンガ」だ
それを見た律先輩が戸惑いながら遊んでんのかみたいに聞いてきた

いえいえこれが私のやり方なんですよっと

私は小さい頃からダンスを習ってた
ダンスって華やかな見た目とは裏腹に日々の鍛練が半端ないわけ
体力だっているしさ、自分が格好良く踊ろうなんて思ったら本当地味な基礎体力の向上から始めなきゃいけなかった

そこそこ踊れるようになった頃にそれを見た
最初は二人でダンスセッションでもしてるのかな?なんて思った

独特な音楽が流れる中男の人が二人でステップを踏みながら闘ってた
正直、体の芯からしびれる様な衝撃を受けた

リズムに乗って楽しそうに足技で闘う姿はまるで鳥が空中で闘ってるみたいだった

その日からダンスの練習の後にはそれを見に行ってた
道路の高架下のぼろっちい空き地でラフな格好をした男に紛れて「カポエラ」を見学する女の子なんてひどく滑稽に見えただろう

カポエラ
起源は様々言われてるけど奴隷達が看守の目を誤魔化すためにダンスにみせた格闘技
主に足技で闘うが近年では手技も取り入れられている

高架下で見学するだけじゃなく、自分が参加し始めるのにそう時間はかからなかった


律先輩はやりにくそうな顔をしながら、ええぃめんどくさいとでも言わんばかりに距離を詰めてパンチを出してきた

なるほど、スタンダードなボクシングスタイルだね

側転でそれをかわしてリズムを整える

さあ、わたしもやりますか
リズムを上げて律先輩へと間合いを詰めて行った
0019創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 17:39:30.61ID:wAinIFBm
律VS 純


律が素早いジャブで牽制すると純は側転で身を翻してそれをかわした
あまりの素早さに律は追撃を躊躇った
側転なんて大きな回避行動のくせに隙が殆ど感じられない
純がペースを上げると律はより守備的な構えで純を迎え撃つ
独特なリズムから純の蹴りが律の脇腹目掛けて飛んでくる
これくらいならとガードをするとその反動で体を回転させる様に反対側の側頭部へ蹴りを繰り出す
スウェーでは深すぎて避けられない
そう感じた律は片手を上げて側頭部をガードする
ズシンと体重の乗った蹴りにやや押される
が、ダメージは無い
だが休む間もなく水面蹴りが律を襲う
片足を上げてその蹴りを流す
パチンと律の足に純の蹴りが当たる
ダメージなんてお構いなしとばかりに蹴りを流した律が前へ出る
素早いステップインからボディへ目掛けて斜め下からパンチを繰り出す
いきなり頭なんて狙っても純には当たらないと思ったのだろう
的の大きな体幹目掛けて渾身のボディブロー
ステップしながらガードでボディブローから身を守る純
律の体格ではそう重たいパンチは来ないだろうと予想してた純が思ったよりも威力のあるボディブローに少し驚きの表情を表す

逃すかとばかりに律は追撃の態勢を見せる
間合いを詰め、フックで純の顔を狙う
純は軽やかに上体を反らしてそれをかわす
だが、これは律の布石

律「パンチだけと思ったら大間違いだぜ」

上体を反らしての大きな回避の隙を律のミドルキックが的確に的を捉える

かに、見えた
ミドルキックの勢いを生かして純はまたしても側転でそれをかわす
律はまるでフワフワ舞っている紙か綿かと闘ってるみたいな気持ちになった
だけど今の一撃は威力を殺し切れてなかったはずだ

律は息と間合いを整えて純を真正面に見据える
0020創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 18:12:44.65ID:wAinIFBm
律VS純


流れる様なコンビネーションに純は思わず口元を綻ばせた

律「何笑ってるんだ、余裕ってか?」

純「先輩も笑ってますけどね」

お互いが歓喜の笑みを浮かべていた
普通の女子高生がこんな風に殴り合って、蹴り合ってなんて考えられない
身近な人と自分の力と技とを競い合える
それが嬉しくてしょうがないのだ

今のところ二人は互角だろう
カポエラという見たことも無い格闘技に律は徐々に対応していた
要するに蹴りが来るならそれに対応すりゃいいやなんてざっくりした律の考えが結果として良い方向に動いている

方や純も律の動きに対応していた
ジンガからのステップで一見派手に動いている様だが細かくリズムを変調してボクシングのコンビネーションに対応している

律の蹴りは意外だったがパンチほど洗練されてないなと純は思った

トーントーンと弾むようなステップの律
踊るようにリズムを取りながら間合いを計る純

律が一気に間合いを詰める
リズムの虚をつかれたのか、純の動きが少し乱れる
逃すまいとジャブで真っ直ぐ純の顔を狙う
純は首から上だけの動きでジャブをかわす
律が足を踏み込み腰に力を入れる
純はミドルキックを警戒してボディをカードする
そのまま純の腹目掛けてくるかと思った律の足が軌道を変えて地面に落ちる
フェイントだ
ステップインをして距離を詰めた律が最速のアッパーカットで純を仕留めにかかった

律ははいる!と思った
だが自分のボディに衝撃が走る
アッパーが届く直前に純の強烈な前蹴りが律を捉えた
律は大きく体を後退させる

前蹴りのダメージで少し足が重い
純が追撃してくる
前転したかと思うとその勢いで頭頂部に踵を落としてくる
ガードしたら腕にダメージを負うばかりかガード越しでも衝撃が凄いだろう

律は後ろへとなりふり構わず転がった
ボクシングの動きを捨ててまでの全力での逃げ

そのおかげで純の足は空を切った

純は子供の様にちぇっと舌を鳴らす
蹴りが来るなら蹴りに対応すればいいと思っていた律は少しばかりその考えが甘かったことを思い知った
出てくる蹴りが自分の予想を越えてたら対応しきれないからだ

律「こりゃのんびりやってたらこっちが不利だな」

純「いえいえ、律先輩もいいとこいってますよホント」

律は後輩の憎らしい言葉に苦笑いを浮かべる
0021創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 19:26:57.06ID:wAinIFBm
律VS純

律はどうしたものかと悩んでいる様だった 純の足技のコンビネーションは素早くて変則的 だ、もう少し純の動きを見て技を把握するのも 手だろう、だけど技を見ていてそれに対応でき るかそれが問題だった

純の闘い方は足技が主だ、だがそれ以前にリズ ムが軸なんだろうなと律は考えた さっき考え無しに突っ込んだら若干純の動きが ぎこちなくなったのを見逃していなかったのだ

純も律の対応力の高さに驚いていた
自分としてはあれこれ変則的な角度やタイミン グで攻撃を仕掛けてるのにまともに律に攻撃が 入らないのだ
さっきの前転からの踵落としなんて絶対入った と思ったのに律は反射神経だけであの蹴りをか わした
心底、律の運動神経には驚かされる

律がコンビネーションで畳み掛けてきたら全部 対応できるのか、それにそろそろ律も何かしら 考えて動いてくるだろう

様子見とか細かい作戦とかはいいや
わからないならやれるだけやっちゃおう

二人はほぼ同時にこの考えに行き着いた

純のリズムを意識しながら前へ出る律、律のコンビネーションを出させまいと前へ出る純

二人の距離が交錯する

律がダッキングでフェイントを混ぜながら距離 を詰めると純がローキックを出した
構わない 、力を入れて純のローキックをそのまま受けてさらに前へ出る
面食らった純は少し距離を離そうとする
律が逃がすかとばかりにステップを踏む純の足 目掛けて蹴りを放つ
律のローキックを無防備に受けた純のバランス が崩れる、ローキックを受けた足側にグラリと傾く純に真横から律がフックを撃ち込む

純は避けきれないと判断してフックをもらいな がらその衝撃を逃がすため体ごと回転させる、 それでも手応えを感じた律はがら空きのボディ へとパンチを繰り出す
純が苦悶の表情を浮かべた

当たれぇ!と律が右ストレート放った
まともにボディへパンチを受けた純は体がくの 字に曲がっていたためこれを避けきれない、辛うじてガードが間に合うがその衝撃で更に態勢が崩れる
律はここで押しきる そう考えた
明らかに動きの鈍くなった純に畳み掛ける様に フックを撃つ
純はなんとか反応してガードする、だが素早く反対方向へとフックが襲いかかる

律のフックはまともに純の頬を捉えた
純はフックの衝撃で体を捻らせる、律は追撃のストレートを放つ
律のストレートが純に当たると同時に純の裏拳 が律の顎にヒットした。フックを貰った衝撃そのままに、捻れる体の流れを生かして裏拳を出していたのだ
お互いが被弾し動きが止まる、先に動いたのは律だった。バランスを崩した純に向けてパンチを放つ
ジャブが純の顔を掠める
またしても側転でジャブをかわす純、だがダメージのせいで側転にスピードが無い。律は側転する純にお構い無しにボディ、フック とコンビネーションを叩き込む
ボディをまともに貰うが純は耐える。だが足が止まりフックをかわせない
堪らずガードをしてフックから純は身を守る
腕越しにフックの衝撃を感じたと思ったら目の 前に律の拳が真っ直ぐ迫っていた

律の右ストレート

鼻の辺りに右ストレートを貰って純の体が大き く仰け反り後ろに倒れこむ

よし、と律は純にとどめを刺しにかかった
0022創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/20(土) 19:40:34.95ID:wAinIFBm
律VS純


律が距離を詰めて純に追撃をしようとしたその時

律の顎に真下から衝撃が走った

純はストレートを受けて後ろへ倒れこむと同時にバク転の要領で律の顎を蹴り上げたのだ

予想外の攻撃に律は吹っ飛び倒れこむ

純もストレートをまともに受けて後ろへと倒れこむ

予想外の方向からの攻撃を受けた律と自分で後ろに倒れ込みながら攻撃を出した純
勝敗はそこで別れた

バク転の要領で体を後ろへと回したおかげで純は律ほどダメージを受けなかったのだ

グラつく足で立ち上がり律を見る
律も立とうとするが目の焦点が定まってない

貰ったよ、と純が距離を詰めて律の頭目掛けて蹴りを放つ

その蹴りはどこからか表れた黒いスーツを着た男に受け止められていた

純の蹴りがスーツの男に止められると同時に
律が崩れた

スーツ「鈴木純さん、貴女の勝ちです」


なるほど、これがムギ先輩の家の人って訳ね
純は納得した

フッと気が抜けると体のあちこちがいたむのに気付いた

純「全く、いたいけな乙女をこんなにして。律先輩も酷い人ですよ」

律「お前もな」

なんだかさっきまでの事が嘘の様に笑えてきた


すっかり暗くなって灯った街灯が
二人の少女を照らしていた
0023創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/21(日) 00:04:07.36ID:cXZOkA9u
酔っぱらいながら読み返して思うんだけどやっぱり今更けいおんって需要無いんだろうなぁとしみじみ思う
それでも書ききるんでもし見てる人居るならこのまま見てやって下さい
ここから一日一試合のペースで書ければと思ってます
0024創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/02/21(日) 17:55:05.56ID:klv5kxCW
板違いとリア友に指摘されたので移動します
お目汚し失礼しました
0026創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 11:18:53.90ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

CGPBA77MT4
0027創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 07:57:18.82ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

XIK1I
0028創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/03(火) 19:56:26.52ID:f1dClnnX
SQP
0029創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/10/17(水) 17:58:03.54ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

NYV
レスを投稿する


ニューススポーツなんでも実況