理髪店やヘアサロンなどの理美容業倒産、ここ10年で最多に

帝国データバンクは2017年の理美容業の倒産が前年比17・1%増の151件と、
07年以降で最多だったとする調査結果をまとめた。負債5000万円未満の
小規模倒産が9割超を占める。大手との競争激化で中小の倒産が
多発している現状が浮き彫りとなった。

 17年の負債総額も前年比3・5倍の138億100万円と、
09年の123億7100万円を上回り、過去10年で最大となった。
一般会員11万人が影響を受けた脱毛エステのグロワール・ブリエ東京が
特定商取引法違反などを引き金に、約97億7200万円の負債を抱え、
破産申請に追い込まれたためだ。同社の負債額はエステ関連業界で
過去2番目の大型倒産となった。

 厚生労働省がまとめた16年度の衛生行政報告例によると、
理髪店などの理容所は前年度比1・6%減の約12万2000施設となったものの、
美容院やビューティーサロンなどの美容所は同1・3%増の約24万3000施設と、
傾向が分かれた。

 帝国データの分析によると、理容業は顧客の高齢化や客単価の減少、
来店サイクルの長期化が続くうえ、個人経営の後継者不足や低価格チェーンの
台頭など懸念が残る。美容業は大手が割引クーポンの導入などの
販売促進策を講じてきたが、顧客数の減少や来店頻度の低下に加え、
低価格競争などもあり利幅の確保が課題となる。