櫓の上で見た小さい頃のなつかしい夢
もちろん仙女も一緒
ふたりで仲良く月餅っていうおやつをたべたんだ
仙女はね子供のころから食いしん坊
「比力！今日のおやつ月餅だって！やったー！」
女の子なのに一番体が大きくて
でも誰にでもやさしくてみんなから一目おかれる存在
ぼくも小さい頃から仙女が大好き
大人しくて弱かったぼくのこといつも守ってくれたんだ
そんな仙女はぼくの初恋……
目が覚めた時なぜだかぼくは泣きそうになった
思わず木に登って隣をこっそりのぞいたら
仙女はいつものようにニコニコとごはんを食べていた
昔と変わらない眩しいくらいのまあるい笑顔
ああよかった今日も幸せそう
仙女がいてよかった
大人になって今度はぼくが仙女を守るんだ
安心したらおなかすいちゃったな
そろそろぼくもお昼の時間だ
おしまい
