917 以下、名無しにかわりましてVIPが実況します sage 2018/04/23(月) 21:39:05.79 ID:mJx290mx0
いつも母ちゃんから「お店の中で走っちゃいけないよ」って言われてる。でも今日だけごめんなさい!
シャン子ちゃんが可愛いって言ってくれたバッグ!お店のお姉さんの魔法で、今日から半額のバッグ!
早く行かなきゃ!早く行かなきゃ売り切れちゃう!

「あっ!」

ポテッ!

人とぶつかりそうになって、慌てて立ち止まったらこけちゃった。早く起き上がりたいのに、お膝がじんじんする。

「こら小雅!お店の中で走っちゃいけないって、いつも言ってるでしょ」
「母ちゃん!」
「もう大きいんだから、一人で起き上がれるね?あらあら、ポシェットあんなところまで飛んでっちゃって」

自分が悪いんだから、泣かない泣かない。痛いのも我慢。私は頑張って起き上がった。

「はい、ポシェット。大事なお買い物をするんでしょ?お金が入ってるんだから、しっかり持ちなさい」
「ごめんなさい母ちゃん…」
「ほら、お買い物してきなさい。走っちゃ駄目よ」
「うん!」

私はポシェットを抱きしめて、魔法のバッグのお店を目指した。このポシェットに、大事な大事なお金が入ってる。母ちゃんが作ってくれた、アクセサリーも入ってる。
このポシェットだって、母ちゃんが手縫いで作ってくれたもの。大切な大切な、小雅のポシェット。

大切な大切な、小雅の…。

振り向くと、少し離れた場所に母ちゃんがいた。母ちゃんが笑顔で手を振ってくれている。

なぜか、急に涙が出てきた。