その男はいつも以上にゆっくりと食事をしながら考え事にふけっていた。
「あーあ。今年もシンちゃんの誕生日を忘れてしまってた。」
時折手を止め、そして頭を抱える。
「…昨年も今年もお誕生日ケーキ出なかったなあ〜。」
そんな言い訳をしながら、まあるい笑顔のつまの言葉を思い出していた。
『誕生日忘れるなんてひどいわっバキッムシャムシャ』
可愛く櫓に座ってみせたつまは続けてこう言った。
『プレゼントは美味しい竹がいいわぁ。まだまだ美味しいおっぱい作らなきゃいけないみたいフフッ♪』
育児に追われるつまに、来月はほっかむりが欲しいなどとは到底言えないのであった。
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