該当の講義は「財政と現代の経済社会」
通信指導問題で、福祉国家モデルの3類型(普遍主義モデル・社会保険モデル・市場重視モデル)の「社会保険モデル」についての説明で「政府が社会保障の公的な枠組みを形成する」という内容を正しいとしているのだけど、
まず「社会保険モデル」について、印刷教材では形成や定義に関して一切の記述はない

質問の回答では具体例として日本の実例を挙げてそれが正しいと示している
しかし、そもそも印刷教材中では日本は「社会保険モデル」から「普遍主義モデル」を織り込んだ仕組みになっていると説明しており、参考例として挙げるには不適切
それ以外の具体例の提示もなく、社会保険モデルを採用する国全てにおいて政府が関与しているかも明確に示していない

また講師の返答の中で記述しているように「ある段階から」関与するのであれば、それ以前の段階での「社会保険」システムは政府が形成したとは言えず、社会保険モデルの説明として「政府が枠組みを形成する」というのは不適当

以上、印刷教材及び講師の回答において
「社会保険モデル」について「政府が社会保障の公的な枠組みを形成する」ことを結論付けるには不十分


質問に対する回答の該当箇所は以下
>たしかに社会保険モデルは元来、職域単位で自発的に発生、発展してきた経緯をもっています。しかし、国によって異なりますが、ある段階から政府が関与し、一定の要件を満たす企業とその従業員に社会保険への加入を義務付けるようになります。その意味で政府が枠組みの形成に明確に関与しています。日本の場合、その根拠法については下記サイトが分かりやすいです。

https://saiyou-knowhow.recruit.co.jp/lp05_4

上記根拠法に基づいて強制性が発生し、保険料その他の料率の上げ下げも政府が決定するので、明らかに、これらを市場の自発性/自主性に任せている市場重視モデルとは異なります。