【卒業論文作成上の注意 目次 - 慶應義塾大学 通信教育課程】
http://www.tsushin.keio.ac.jp/students/soturon/instruction/pdf/cautions1.pdf

〈担当される教員の方へ〉
通信学生に、以下の1〜3を必ず徹底して行うようにとご注意いただきたく存じます。
資料を十分に集めず、法律学として的はずれなテーマを設定する学生も数多く見られます。
このような知識が十分ではない(すなわち単位も余り修得できていない)段階で、
卒論指導を希望する学生が多いことが、多くの煩瑣なケースの根幹にあります。
このことと関連して、自分はどのような問題意識に基づいて、
いかなる問題について法的に検討したいのかにつき、あらかじめ十分に考察することなく、
「何となく興味がある」程度の理由で卒論指導申請を行う者も見受けられます。
ぜひ、これら事前準備の重要性を、強調していただきたいと存じます。

〈学生への注意〉
1 卒論指導に応募する前にしておくべき事
卒業論文作成に入る前に、学生のみなさんにぜひお考えいただきたいのは、
卒論指導を早い段階で受けるよりも、まず先に通常のテキスト科目の単位を万遍なく取得し、
法律学という学問体系を頭の中に作り上げておくことの方が、はるかに重要であるということです。
法律学とは積み重ねを重視する体系的学問分野です。
すなわち、卒論指導を受ける前提として、そのテーマに直接関わる科目だけでなく、
かかる分野の基礎科目さらには、周辺ないし関連科目が十分に理解できていることが
研究の全ての基本になるということをまず何より念頭に置くよう、ご指導願います。
おそらく学生の側には、早く卒論執筆にとりかかれば何年もかけて良い論文を書くことが出来るという、
幻想があるのではないでしょうか。一つのテーマにつき時間をかけて丹念に精査することは確かに有益ですが、
法律学に関していえば、その前段階における蓄積が肝要であることにつき、とくに注意が必要です。
すなわち、法律学は積み重ねの学問であるため、ある特別法の領域を研究するためには
、その領域の基礎となる一般法的領域の知識が不可欠です。