おれは進学校に在籍していたが母子家庭で経済的事情から進学を断念した。
そんな俺が一度だけ大学生から合コンに誘われた。
同じ高校の同級生だったイケメン法政からメンバーが足りないから頼む!と言われたので仕方なしにだった。
けれど、だんだんわくわくしてきて服を買いに行ったりモテ術の本を読んだりした。
親に「俺今日合コンだから遅くなるよ!」というと、
親は「あんまり飲んじゃだめだよ」とうれしそうだった。
当日、予定の場所に行くと誰もいない。
イケメン法政に電話すると「もうみんな店にいるから早く来い」という。
遅れて登場も悪くない、と思いながら店に入ると地獄が待っていた。
「うっそ〜!!ほんとに高卒が来た!!」
「な!な!俺が言ったとおり恥を知らない鈍感だろ?」
「うわ〜キモイwww」
俺は何が起こったのかわからなかったが、どうやら最初からネタにするつもりで呼んだようだった。
そのうちイケメンの一人が俺のバッグから社員証を取り
「ほらこれ見ろよ!本物の高卒すげー!!」
「聞いたことない会社だねー。人生終わってんじゃん!」
と言ってきたので俺は怒りのあまり立ち上がった。
すると今度は
「何本気できれてんだよ」
「低学歴って最低」
「空気嫁よ」
「だから高卒なんだよ」
俺はもう参加する気力も切れる気力もなく店を出た。誰も引き止めなかった。
家に向かって歩いていると雨が降ってきてびしょぬれになった。
もう情けなくて情けなくて声もあげず泣いてた。
家に入ると母親に向かって怒鳴った
「お前のせいで俺の人生メチャクチャになったんだぞ!!」 母親も泣いた。俺も泣いた。