>>97,>>101
 この人が書いた本『いじめの社会理論』(柏書房)より。
http://www.amazlet.com/browse/ASIN/4760120882/
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4760120882.html
http://www.esbooks.co.jp/books/detail?accd=30855241
「 現行の学校制度では、「なかよくする」ことと「まなぶ」ことが強制的に抱き合わせにされている。
本書で問題にしてきた残酷な心理-社会現象の蔓延は、第三章で詳しく論じたように、
「まなび」の「共同態」というしかたで若い人たちを一日中強制的に「べたべた」させる学校共同体主義によるものである。
 また現行制度のもとでは、学校で集団生活をすることが「勉強」することであるといった現実感覚が蔓延する。
多くの生徒たちは、終日ぼんやりと教室に座っているだけで国語や英語や数学をろくに修得していなくても、「学校で授業を受ける」という集団行動(集団学習)をすることでもって、自分が「勉強した」と思っている。
一日中学校で「授業」を受け、さらに塾に通い、それでも(その結果!)勉強ができないといったありさまは、★生徒にされた人たち★のあいだでは普通のことである。
彼らは、第三章で論じたような強制的な集団生活のなかで無限定的な人格支配を受けるだけでなく、さらに、その集団学習(「まなび」の「共同態」)の反復によって無能の習慣を植えつけられる。
しかし、一日中「授業」を受けて何も学習しない修正を身につけてしまった彼らも、自動車教習所ではきわめて有能に技能を習得する。
現行の学校制度を廃止して、街に林立する教習所型の学習サポート団体をチケットを使って自由に選択するしくみにすることによって、彼らは強いられた無能と奴隷状態から解放される。
 さらに学校では、努力して数学や国語や英語で優秀な能力を身につけたとしても、「態度が悪い」「協調性に欠ける」とみなされると、ひどい成績をつけられる。
高校へは勉強して行くのではなく、「先生やみんなとなかよくして、人からよくおもわれて、生かせてもらう」といった感覚すら蔓延する。
内申書や推薦や情意評価といった制度は、卑屈な精神を滋養し、精神的売春を促進し、さらに課題遂行という点では人間を無能にする(これは短期的政策の部類にはいるが、内申や推薦や情意評価といった制度は即座に廃止すべきである)。」