例えばの話、大好きな人が作ってくれた料理であっても、まずいものはまずい
あの人が作ってくれたというだけでうまい、ということはない

しかし、まずくてもそれもまたよし
そう考えることはできる
まずくても、盛り付けのセンスがひどくても、生野菜のサラダに熱々の焼き魚を乗せてしまう無神経さであっても、油ギトギトで焦げていても、せっかく用意してくれた食事
機嫌よく、感謝していただけるような人間で私はありたい
自分で作ったほうがうまいけれど、そんなことは微塵も顔には出さず、ありがたいありがたいと手を合わせる
いい部分を見つけようとすることだってできる

食というのは、それがその人の好物であればあるほど、一家言を持っているものだ
ラーメン、そば、カレーなど、その筋のマニアでなくとも、多くの人がそれなりにこだわりがある
こだわりは人を狭量にしやすい側面もある
こうでなければ、と
うまいものを食べることは確かに大きな喜びであるが、こだわりを持ちながらも感謝も忘れないでいたい