2本出しの両方からの騒音を測定しなくちゃいけないところを、片側だけ測ったみたいだね。

17 近接排気騒音試験における不正行為
近接排気騒音試験は、自動車の停車時に排気管開口部(マフラー)から出る騒音(近接排気騒音)が、法規に定められた基準値以内となっているかを確認するために実施される試験である。当該試験については、以下のとおり、虚偽記載類型 1 個の合計 1 個の不正行為が認められた。
⑴ 騒音の試験結果の虚偽記載(虚偽記載類型)
ア 不正行為の概要
本事案の対象車種は、いわゆる 2 本出しマフラー(排気管開口部が左右 2 か所になっているマフラー)を搭載しており、左右に 1 つずつの排気管開口部を有していることから、左右の開口部それぞれで、近接排気騒音を計測しなければならなかった。
法規認証室の試験成績書作成者は、左右いずれか片方の排気管開口部のみの測定結果が記載されていた実験報告書であったにもかかわらず、本来、左右の開口部それぞれの試験結果を記載しなければならないことから、左右双方での測定によって生じる作業負担を惜しみ、左右双方での測定を省略して、実験報告書の片方の試験結果を参考に、残りの片方について架空の数値を試験成績書に記載して、認証申請を行った。