ステンレス製ボルト・ナットの表面積に比べて鉄管・鉄板の表面積は大きいため、異種金属接触腐食は問題のないレベルです。

(1)異種金属接触腐食について
二つの異なる金属が土壌中や水中などの電解質中で電気的に接すると両者の電位の違いにより、電位の低い方の金属の腐食が促進されます。
この現象を異種金属接触腐食といいます。
この腐食に影響する因子は、両金属の表面積比や電位差、電解質の電気伝導度、温度、pHなどがありますが、金属側の因子で影響の大きいものは、両金属の表面積比です。

(2)鉄管・鉄板への影響について
ステンレス製ボルト・ナットを使用した場合、ステンレス製ボルト・ナットの表面積に比べて鉄管・鉄板の表面積は大きく、
例えば表面積比100分の1のステンレス片を電気的に接触させた場合、鉄片の腐食量は、ステンレス片を接触させない鉄片単独時とほぼ同じ(1.01倍)です。
したがって、鉄管・鉄板に表面積の小さいステンレス製ボルト・ナットが接触した場合、鉄管・鉄板の腐食はそれを接触させない場合とほぼ同等であることから、鉄管・鉄板の腐食に及ぼすステンレス製ボルト・ナットの影響は少ないものと考えられます。