日刊自動車新聞に記事から
「三菱自、存続ピンチのパジェロ 「ロング」も基準強化で生産不可に」

三菱自動車が国内での「パジェロ」の存続に苦慮している。国内の歩行者保護法規の強化により、「ショート」は2月の生産終了を決めたが、主力の「ロング」
も現行車のままでは2019年8月以降の生産ができなくなる。販売台数こそ年間1千台レベルに減少しているが、パジェロは三菱自のブランドイメージを
けん引してきたモデルだけに、難しい判断を迫られている。

 道路運送車両法に基づく歩行者保護基準の強化により、歩行者脚部への被害を軽減する基準が導入されている。継続生産車については、車両総重量2・5トン以下の
車は2月24日から適用となるため、三菱自ではパジェロショートの国内向け生産を同月、終了することを決めた。

 一方、主力のロングが該当する車両総重量2・5トン超の継続生産車は、19年8月24日に適用されるスケジュールになっており、それまでは生産を継続できる。
ただ、基準強化後も生産を続けるには、「車両フロント部分の大幅なデザイン変更が必要」(同社)で、金型など新たな設備投資が必要になる。

 パジェロは国内の4WDブームをけん引し、質実剛健な三菱自のブランドイメージをつくったモデル。電気自動車(EV)やSUVに投資を増やす中でも国内外で
存続を図ってきた。ただ、国内ではショート・ロング合わせ年間販売台数が1千台程度に減少し、世界販売に占める割合も3%程度と海外販売が主力になっており、
国内向け専用の投資をするのが難しい状況だ。

 益子修CEOはパジェロと「ランサーエボリューション」について、昨年の定時株主総会で「いつか新しいパジェロとランサーエボリューションの開発に挑戦したい」
と話した。姿形を一新した新型車としての復帰も期待される。