明治期には互いの流派を名乗ってから立ち会いが行われる伝統が
まだ続いていた.
全てが統一されたのは戦後の事.それも実際は限られた人間の間で
利害やコネが絡んで不諾々々(しぶしぶ)決まっていった経緯は
関係者のみの識る処・・・

防具剣道は江戸時代から脈々と培われた遺産で,面を着け存分に
打ち合い,礼を尽くしてから面を取り黙想〜一連の武道特有の
爽快感.これが堪らなくて剣道を,武道をやっているのだと思う.
失礼ながらスポチャンや一部のスポーツ化した武道ではこの醍醐味
が喪われているのではないだろうか?自分が少なくともスポチャン
をしない理由は雰囲気が合わないからである.(勿論軽過ぎる得物に
も不満はあるが)

剣術側も勝手に競技をやれとの意見はわかるが,実際問題流派武道が
そんな簡単にいかないのは分かる筈だ.本来それらの垣根を越える為
に興武所も作られ剣道につながって来たのだから.

実際幾つかの防具稽古も行う道場を覗いても,その流派の為だけの防具
稽古であってその範囲を出る事はまず無いという現実がある.