ついでに私見を述べるなら「正しい剣道」の推奨は多分に教育的見地からのものだと思う。
だが、教育の名の下に剣道の自由な可能性を封じるのは剣道自身にとっても不利益だし、不正議に感じる。
例えば数年前、全日本で上段の優勝者が続いた上段全盛期の頃、上段をのさばらせないために上段への胸突きがありになった(今は戻された)けどああいう介入は非常に悪い例の一つ。
メンを打つ剣道の価値観の下で上段が中段より強いというのが結論ならばそれはそれとして受け止めなくてはならないし、中段の選手は中段の人気と権威を取り戻すために奮起しなくてはならない。
そういう淘汰は自然になされるべきもので、ルールによって介入するなんてあってはならないこと。
二刀は認めない、とか引き胴はだめ、とかそういう一部の審判の勝手なバイアスも同じ理由で間違っている。ルールの下では構えも打ちももっと自由でもいいはず。競技性も増して面白くなるだろう。
剣道指導者としても中段も、上段も、それ以外の構えも全部できるのが真に推奨されるべき姿だと思う。
中段でやるべきことが沢山あるのは承知だが、実験的に上段や二刀をかじろうとすると怒られる、みたいなのは何か違うな。
ルールというよりは指導者や審判の問題ではないかと思うよ。