X



自作自演
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:08:46.49ID:hDjICAkz0
ご自由にお読みください
そして感想をお待ちしております
0002名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:10:46.85ID:hDjICAkz0
「濱野家の人々」 @

今日念願のマイホームが手に入れられたのだ‼やっと組んだ長期ローンの事だけがとても気掛かりだったが、真新しい我が家を感慨深く見渡していたその時だった!背中から突然、冷たい水を浴びせられたかの様な声が聞こえて来た。

「ちょっとあなた、こんな狭いウサギ小屋みたいな家で終わるなんて思わないでよ〜‼安心は禁物だからね〜‼」

正直私は言葉を失いかけていた。それは妻の花苗の声だった。

「おいおい、悪い冗談はやめてくよ………。」

「なんて顔してるのよ!私が元住んでた家は、この4倍はあったんだから、そう言いたくなる私の身にもなってよー。」

全くこうやっていつも私の立場をメチャクチャにして台無しに、ふてぶてしくおわらせる妻が私は嫌だったのだ‼

62坪の5LDKでガレージは3台ある。本当に小さな家だろうか?
0003名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:12:02.77ID:hDjICAkz0
「濱野家の人々」ーー2ーー

次はペットの話題で盛り上がり、妻と娘がペットshopへ行こうと言いながら、ワイワイ新聞の折込広告を見ている。

「ねえお父さん、あさっては私達をペットshopへ連れて行って欲しいの‼お願いね〜!忘れないでよ。」

「わかったよ〜!」と言いながら夫の航平は不安な気持でいっぱいだった。何故かというと、昔も一度犬を飼って散歩をするのは、自分である航平の役目だったからだ!

「お父さんは犬は大好きだけど、散歩や世話はちゃんと自分でしてくれよな‼」 そう強めに言いすてた。

「わかってる、お父さん。」娘の七海は笑いながら答えていた。

その場の雰囲気は悪く無かったが、妻の花苗は怪訝そうにその様子を黙って見ていた。
0004名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:12:38.86ID:hDjICAkz0
ーー3ーー
そして、航平は約束通り2人をペットshopへ連れて行った。

「わァ、かわいいねえ‼ どの子にすればいいか迷う…。ママ決まってる?」と、七海は母親に尋ねていた。…………

「チラシではだいたい決めていたけど、コリャ迷うわね〜!
七海はどれが本命かな?」お互いに探り合っていたが、とうとう決断したようだった‼ 薄茶色と白のカフェオレのようなかわいい柴イヌの雄に決まった。

帰り道は名前を何にすればいいか激論が交わされるていた。

「絶対、ロン太がいいよ〜!」七海はゆずりそうになく断言した。もう考えるのも面倒なのか、花苗もすんなり同調していいよ〜!と言って決まってしまった。

取り敢えず、ここまでは、問題もなくありがたいと航平は胸を撫で下ろしていた。

まだリビングの隅っこで寝床を確保して眠らせるのにちょっと手こずったが、ロン太は比較的おとなしく眠ってくれた。
0005名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:13:10.88ID:hDjICAkz0
ーー4ーー
実は航平には、付き合い始めて3年になる愛佳というセフレがいた。

それは偶然にも、少年野球チームで一緒だったが転勤で離れたのだが、意外にも女性の愛佳からある日告白されていた。
随分積極的な女性だという印象が強く、航平は最初は警戒していたのだったが、自らわざとしかけられた罠にかかったふりをしてみせていた。…………妻から拒絶されていれば、男
ならば当然なことかもしれない。いくらかの後ろめたい気持と戦いながら、自分を正当化させて愛佳とはつながっていた。

そして愛佳は愛佳でより多くの男性とも関係を発展させていた。
実は愛佳は昔あるグラビアモデルで、航平の中でなぜかそのことがある種のステータスでもあった。

花苗にはにても似つかぬ一点だった。…………………
0006名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:13:36.28ID:hDjICAkz0
ーー5ーー
なぜこの恐怖にも似た妻花苗と結婚したかというと、ある一つの構想が航平にはあったからだった‼

この花苗の家は昔有名な地主で、様々な商売。と金貸業もしていた事があり、ある程度の土地を所有する土地成金だったから、その場に小さなビルを建て二世帯にして下は賃貸の等価交換方式にすることだった。それが最も合理的方式とにらんでいた。

だが、花苗の母親は反対派できっぱりと断って来た。そんな甘い航平の考えを見通していたのか、

「あんたにもお母さんがいるのに、嫁の実家に全部来たらそこは絶対にまずい。」こう言って断って来た。実に当然至極でなかなかの理由だった。
呆気なく濡れてに泡の航平の夢は、消えて行ったのだ。
0007名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:14:06.32ID:hDjICAkz0
ーーEーー
一方航平には養女の姉がいたが、母親の介護をしていた。
公務員の義理の兄がいたが、子どもは居ないので、2人の気持ちは航平の子どもたちに注がれていた。

今回も七海の大学入試で合格通知が届き、大学の学費は姉が立替えてくれていた。とても助かるしありがたい。

また、弟の海斗は中学二年生だったが、野球の用具などほとんど姉が出してくれていたのだった。

航平は義兄と姉には、それはそれは大変感謝していた。
しかし、花苗だけはそのことをよい迷惑と取ってもいた!
だから御礼も素っ気なかったり、航平は何倍も板挟みの気遣いを覚えていた。そして、胃がキリキリと痛くなったりしていた!
0008名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:15:23.98ID:hDjICAkz0
ーー8ーー
花苗の楽しみは缶酎ハイで乾杯して、出前のお寿司をつまむことだった‼ 会社から帰宅した航平はと言うと、毎日お風呂を洗い皆が食べ終わった食器を洗うのもついでにしていた。…

「内の旦那は最高でいい旦那なの〜〜!私がたのんでもないのに色々自発的にやってくれるのよ‼」

「濱野さんちは旦那さんが奥様一筋だから、何よりよね〜!」

「あー、どうやったらそんないい旦那さんになるの〜?」

現実とはかけ離れた世界観ばかりが一人歩きしていたが、花苗は一人ほくそ笑んで、それは秘密と言わんばかりにウソぶいて思わせぶりな態度をきめていた!

そして愛佳の存在など知る由もなく、夜は更けていくのであった。……………………

「ちょっと、何で今日はこんな遅いのよ〜?きいてないよ〜!」

「今日は、部長に誘われたから!……電話して確認する?」

「馬鹿言わないでよ〜!」 花苗はちょっとあやしんでいたが、今回はあえて、スルーしてみせた。
0009名無しさん@お腹いっぱい。垢版2019/01/15(火) 20:15:54.19ID:hDjICAkz0
ーー9ーー
「ちょっと〜?携帯見せてくれないかな………?」

珍しく早起きな花苗は航平にくってかかったが、そこは想定内で、落ちついた航平だった‼

「お前起きていたのか? ビックリするなァ‼………」
そして、妻に黙って携帯を手渡して見せていた。

どこをどうやって見たって証拠はあがっては来ないから大丈夫なのだ。実は携帯は2つあって、車に隠してあるのだから当たり前なのだ。

「コーヒーくらい入れてくれないかなァ‼………」
朝は自らお弁当を作って会社に持参して、それが朝食なのである!

ここに出来ているわよ〜〜と、指差す方向のカップはすでに冷めかけていた。気遣いも何もあったものでもない……。

あきらめに近い空虚な気がして、早朝から寂しさが航平に襲いかかったが、無言で家を出た。何て馬鹿馬鹿しいのかとムカついてやるせない気持ちだった…………。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況