「民間業者に丸投げ」という欠陥

 根本にあるのは構造的な欠陥である。
大学入試を民間業者に丸投げするというシステムそのものが問題なのだ。
業者は採算がとれるかどうかを最優先する。
受験生や、ましてや大学のことなど二の次だ。
点数が出やすくして、受検者を増やそうとしたり、コスト減のために信頼度の低い採点者を採用したりする。
他方で、文科省は試験については責任をとらない。
にもかかわらず国立大学には半ば強制的に試験の活用を押しつけようとした。
不正やトラブルがあっても、被害に遭うのは受験生や大学で、
テスト業者は責任をとらない。
このような歪みを抱えた制度では、
いくら場当たり的な対応をしても次々に新たな障害が起きただろう。
 にもかかわらず、民間試験導入は強行されようとした。