今年に入り、麻疹(はしか)の患者が近畿を中心に急増している。
今月6日現在、全国19都道府県で148人の感染が報告され、
過去10年で最多だった2009年を上回るペースだ。
患者は近畿6府県と三重県で約7割を占めるが、
さらに全国に拡大する恐れがあり、
行政機関がワクチン接種を呼びかけている。
 はしかは感染力が極めて強く、
飛沫(ひまつ)感染や接触感染に加え、
空気中に漂うウイルスを吸い込む空気感染でも広がる。
潜伏期間は1〜2週間で、発症すると高熱や発疹が出る。
肺炎、中耳炎を合併しやすく、1000人に1人の割合で脳炎を発症し、
死亡することもある。
 昨年末、三重県で開かれた研修会で集団感染が発生し、
今年1月7日以降、男女31人が発症した。
県外からの参加もあり、和歌山県や愛知県などにも感染が広がった。
 大阪市では、はしかに感染した三重県の男性が1月6日、
アイドルグループの握手会に訪れ、近くにいた人が感染した可能性がある。
同市のあべのハルカスの近鉄百貨店本店でも従業員11人の感染が見つかり、
客への感染も確認されている。
 さらに、患者が新幹線で新大阪―東京間を移動した例も明らかになり、
感染拡大の恐れは高まる。
 大阪府医療対策課の担当者は「予防にはワクチン接種が有効。
感染が疑われる場合は医療機関に連絡し、指示に従ってほしい」と話している。【松本光樹、渡辺諒】
出所:毎日新聞 はしか、近畿で急増 患者数の約7割が6府県と三重 2019/02/16 18:49