3割が燃え尽きる?「研修医」という超激務
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★「40歳・研修医」の苦悩
私が以前、キャリア相談にのったA医師は、32歳で見事医学部に入学し、38歳で医学部を卒業。現在40歳の研修1年目の先生です。

医療に対して情熱は熱く、非常にまじめな先生ではあるのですが、慣れない当直勤務やオンコール生活(オンコールとは受け持ち患者の病状が夜間に急変した場合、
自宅から電話などで看護師や当直医に指示を与えること)に嫌気が差し、研修がもう少し楽にできるような病院を探したいということで相談を受けました。
医学部を卒業し、出身大学の付属病院で研修を経験したのですが、そんな情熱的な彼でさえ、ドロップアウトが何度も頭をよぎったと言います。

医学部生からいきなり社会人となり、当直はもとより、休みの日であっても担当する患者が急変したときなどは、携帯が鳴ります。それこそ365日緊張が途切れないという日が何年かにわたって続きます。
24〜25歳で医学部を卒業した若手の研修医でも心が折れたり、体力が続かない方が多いのに、30代後半や40歳オーバーの研修医が、その生活に耐えられるでしょうか?
私の下に持ち込まれるキャリア相談では、年齢の高い方ほどついていけず、休職されたり、うつ病を発症されたりする傾向が高いと思います。

★あまりにも年齢が高いと、求人も極端に少なくなる
3年目からの後期研修は違います。研修医とはいえ、医師として外来や病棟も持つことにもなるため、採用側も医師なら誰でもいいということにはならないのです。
そこで中年研修医の方は、初めて自分の市場価値がそれほど高くないということに気づきます。
また、病院や大学の組織というのは、年齢的なバランスというのを重要視します。
院長をトップとして、部長、医長、医員というのは年齢的に50代、40代、30代となっていくのが普通です。ですので、そこにいきなり40代の研修医が入ってきたら、バランスが大きく崩れてしまいます。
最近よくある現象として、指導医クラスの医師が部下として入ってきた研修医よりも年下だったため、扱いに非常に苦労をしたなんてことが起こります。
そうした中で、中年研修医は孤立しやすい傾向にあり、なかなか周りに溶け込めないということがあります。