高一のちょうど今頃の季節、大学出たての新任先生と恋の逃避行した。
金曜日の放課後、家にも帰らず誰にも知らせず、地元駅から電車に乗って、待ち合わせの京都駅へ。

手に手を取って特急列車に乗り、皆生温泉に行った。
「これからのことは、何もかも、わたしに任せてね」と言う先生に、心の底から甘えた。

皆生では二泊した。
目くるめく世界であった。
腕を組んで遅くまで温泉街を歩き回りもした。
そのあとは、九州へ逃避する予定だった。

結局は、日曜日の深夜、二人はひっそり地元へ戻ってきた。
月曜日、何事もなかったかのように、二人は出勤・登校した。