>>831-836
鉄道ファン1984年1月号(特集:機関車EF58)に下記の記述がある

■最近の主な改造
◆元空気だめ管引通し
 AREB型ブレーキを採用している20系客車は,台車の空気ばねや供給用の空気を元空気だめ管からもらうシステムとなっている.そのため20系客車
をけん引できる機関車は元空気だめ管の引通しを設けたものに限定されていた.EF58は昭和47年10月に関西地区でブルトレけん引にカムバックした
が,その際に元空気だめ管の引通し改造(通称P型改造)が行われている.その後20系の急行転用に際してけん引機に融通性を持たせるため,C3000
形空気圧縮機をカニ21形に搭載し編成に空気を供給するようにシステムチェンジされた.そのためEF58のP形改造も,昭和50年春特急”北陸”けん引
のために行われた長岡区を最後に中断されていた.
 ところが最近になって竜華区のEF58に対してこの元空気だめ管引通し改造が行われた.これは昭和59年2月のダイヤ改正で紀勢線の客車列車が
12系化され,それをけん引するためである.12系はオハフ13・スハフ12に小型の空気圧縮機を持っており,本来台車の空気ばねやドアエンジンの空気
は編成内でまかなえるシステムとなっている.しかし普通列車に使用するためドア開閉の機会が多くなること,曲線の多い紀勢線では台車のアンチ
ローリング機構により空気ばねの空気消費量が増えることなどを考慮して機関車側からも空気を供給することになったものである.
 なお紀勢線には当初50系の投入が予定され,そのために元空気だめ管の引通し改造が昭和56年11月(42号)から行われていたが,計画の変更に
より一時中断されていた.しかし現在では139号(改造予定)を除く竜華区の全車がP形化されている(50系はドア開閉用の空気を元空気だめ管から
もらうシステムのため,けん引機は元空気だめ管の引通しのある車両に限定される).
 また昭和57年に米原区の96号にも同改造が行われたが,これは同区の他のEF58がすべてP形であるため,その取り扱いを合わせるための措置で
ある(96号は宮原区からの転入車).

1983年10月現在の稼動車(休車は除く)
宇都宮(13両) 89・103・109・114・116・122・141・144・145・151・154・168・172
高崎第二(1両) 130
東京(8両) 12・14・61・68・124・129・148
浜松(18両) 91・93・94・142・155・156・157・158・159・160・161・162・163・164・165・166・167・169
米原(8両) 36・74・77・96・111・112・113・118
宮原(17両) 44・45・48・56・98・100・101・125・126・127・128・138・140・143・146・150・171
竜華(8両) 39・42・66・99・139・147・149・170
広島(2両) 38・63

主な外観装備一覧 1983年10月現在(稼動車のみ)
原型大窓 61・66
原型小窓 74・96・98・100・101・111・112・113・118・125・126・127・138・139・140・143・146・150
ツララ切り 36・38・39・63・66・88・89・130
スノープロウ 88・124・130
ワイパーカバー 74・112・113
パンタグラフPS14 12・14・36・39・42・44・48・56・61・68・93・113
原型フィルター 61・68・88・89・109・122・124・129・130・146