道路利用は22年度から JR岩泉線、住民は落胆
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 廃線となるJR岩泉線の押角(おしかど)トンネル(宮古市―岩泉町、2970メートル)の道路化について、
県は18日、利用開始が2022年度となる計画を明らかにした。長年の懸案だった国道340号の改良と
「引き換え」に苦渋の決断として廃線を是とした沿線住民らからは「10年後では役に立たない」
「行政はそれを隠して合意したのか」と落胆や批判の声が上がった。

 岩泉線(茂市―岩泉間、38・4キロ)と並行する340号の押角峠は道幅が狭く急勾配、急カーブが
連続する難所。県によると、ほぼ直線の押角トンネルの両端は340号と近接しており、道路化によって
峠区間を回避し、距離約2・2キロ、10分ほど短縮できる。340号の雄鹿戸(おしかど)トンネルは
鉄道より標高が約130メートル高い所を通っている。

 押角トンネルは掘削・拡幅し全幅7・5メートルの片側1車線道路を整備する。総事業費は約65億円。
14年度の本格調査・設計、15年度の着工を予定する。

 宮古市内へ代行バスで通院している岩泉町の男性(75)は「道路が良くなるから廃線も受け入れられる。
10年後では役に立たない」と落胆を隠さず、同町の女性(75)も「鉄路復旧は半分諦めていたが、
道路整備にこんなに時間がかかるとは驚きだ。3〜5年程度で整備してほしい」と訴えた。

(2013/11/19)