先日、30歳年下の鉄道好きから、当時の南風ア線の入場券や車内補充券が
オークションで高騰していると聞いた。
昭和30年代以前ならまだわかるが、比較的近年の昭和50年代のものに稀少価値が出るのか、
解せなかった。
実は、南風ア線の開業は大正2年と古いが、炭鉱の閉山に伴って赤字83線に取り上げられた。
そのまま廃止になってもおかしくは無かったが、昭和48年9月1日に鉄道代行バスとして維持することとなった。
つまり、北海道の士幌線の糠平〜十勝三股間のようなものである。
この時、南風ア線では、全駅が無人化され、バス車内でも乗車券を取り扱わなかった。
ところが、なんと、炭鉱上流に建設中のダム発電所に闊大貨物を輸送する必要が生じ、
昭和51年4月1日に鉄道による輸送が再開し、旅客輸送も同時に再開した。
しかし、当腺は昭和53年10月2日で廃止されるわけで、復活後はたったの1年半営業したに過ぎない。
それ故、この時期の乗車券に稀少価値が出るのであろう。
私としては、百足塚でわざわざ買った、急行「国東」の急行指定席券の硬券が良い思い出になっている。