18歳、大学に落ちて浪人が決まったときに大阪から青森までこの特急に乗った。
車窓を流れる景色に見とれながら列車は青森に着いた。
翌朝は竜飛岬に向かった。春は近いというのに海は猛烈な時化だった。
竜飛岬から1キロメートルほど歩いたところのがけの上で女の人が海を見つめていた。
荒れる海を見て何かを祈っているようだった。