>>255
なお機械的な処理により、人の手による監視がない場合であっても通信の秘密を侵害したことには変わりはないとされている。
そのため、インターネットサービスプロバイダのルーティングやメール配送などの行為はすべて通信の秘密を侵害しているとされている。
ただし、当事者の同意がある場合、そもそも通信の秘密の侵害とされないことから、オプションで提供するウイルスチェックサービスや
迷惑メールフィルタリングサービスは通信当事者の片方である受信者の同意が取れていることから、通信の秘密の侵害にはあたらないとされている。
また、特定のソフトウェア(P2Pなど)による通信をインターネットサービスプロバイダが遮断する場合のように通信の秘密の侵害が行なわれた場合などは、
違法性阻却事由が存在し、違法とはされないと解されている。

2006年5月にぷららネットワークスがWinnyの遮断を発表したことに対し、総務省が「通信の秘密の侵害に該当し、違法である」という指摘を行なった。
これについては、その後デフォルト・オンでWinnyやShareなど違法性の高いP2Pの遮断サービスを提供するものの、その後利用者の希望に応じて
遮断が解除できるなどの幾つかの条件を付して総務省が容認したとされる。
その条件については基本的に「電気通信事業者が行う電子メールのフィルタリングと電気通信事業法第4条(通信の秘密の保護)の関係について
」の考え方が踏襲されていると思われる。
また、迷惑メール(スパムメール)対策としてのOutbound Port 25 Blocking (OP25B)が、通信の秘密を侵害し、違法であるかについては
2006年11月に総務省が「通信の秘密を侵害するが、正当業務行為であるとして違法ではない」という判断を下している。