■機械的な処理により、人の手による監視がない場合であっても通信の秘密を侵害したことには変わりはないと判断されている。

■電気通信における通信の秘密

憲法第21条の通信の秘密は、公権力による積極的知得行為の禁止と通信業務従事者による漏洩行為の禁止という
二つの面を定めたものである。
ただ、通信の内容や存在、相手方といった事実を知られることなく秘密のうちに通信を行うことができることは、
個人の私生活の自由を保障する上でも、自由なコミュニケーションの手段を保障する上でも大変重要である。
このことから憲法第21条第2項の趣旨を受けて、電気通信事業法などではこれらの事項について広く通信当事者以外の
第三者が正当な理由なく故意に知ったり、自己又は他人のために利用したり、第三者に漏えいすることに対して刑事罰を定めている。

具体的には電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密については電気通信事業法(第4条・第179条)、有線電気通信における
通信の秘密は有線電気通信法(第9条・第14条)、無線通信における通信の秘密は電波法(第59条・第109条)により通信の秘密は
それぞれ罰則をもって保護されている。

インターネットを利用して行われる通信についても、インターネット接続事業者のサービスを利用して行われるような場合、
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密に該当するため、電気通信事業法に定める保護が与えられ、それ以外の
場合にも必要に応じて有線電気通信法や電波法等の保護が与えられている。