三菱ケミカルグループの筑本学社長は17日、脱炭素対応を含めた石油化学事業の再編について2024年度上期(4―9月)中に方針を固める意向を示した。西日本では石化コンビナート間で「瀬戸内連合」を形成して連携し、有限責任事業組合(LLP)などの設立を検討する。24年度上期中には立ち上げたい考えだ。

1日付で就任した筑本社長は「(化学の)グリーンスペシャリティーを目指す」とし、「複数社でのLLPなど、グリーン化の進め方や市場に見合った最適な供給の構造づくりにできるだけ早く取り組んでいきたい」と語った。

三菱ケミカルグループは化学品の基礎原料のエチレンを作るエチレンプラントを石化コンビナートの茨城県鹿島地区と岡山県水島地区に持つ。水島地区では旭化成とエチレンプラントを共同で運営する。西日本の瀬戸内連合として石化コンビナート間での連携の形を検討する。

鹿島地区では、三菱ケミカル茨城事業所(茨城県神栖市)で、ENEOSと廃プラスチックを油化するケミカルリサイクル(CR)設備を立ち上げる計画だ。CR設備に関して筑本社長は「海外展開したい」と意気込んだ。