私はなぜ行動するのか?

私は「非植民地化された将来」のために闘っている。「非植民地化」された世界というのは、世界の富裕国と産業界がグローバルサウス(訳注=主に南半球に偏在し
ている発展途上国)の地域社会から搾取しない世界のことだ。その代わりに、干ばつ、ハリケーン、洪水といった気候危機対策を支える世界だ。「非植民地化」さ
れた世界というのはまた、気候危機により最も深刻な打撃を受ける貧しい人たちや先住民社会やグローバルサウスの人びとの声に耳を傾けて、何らかの決定を下す会
議に参加させる世界だ。

私が「非植民地化された未来」のために闘っているのはなぜか?

それは気候危機の流れを変えることができ得るのは、「非植民地化」の方策だけだからだ。

多くの人びとは、産業革命が気候危機の始まりだとしている。石炭を掘り出し、化石燃料を採掘し大規模にそれを燃料として消費し始めた時だと。しかし、気候危機
は実際には、それよりずっと以前から始まっていたのだ。

「植民地化」が気候危機の始まりだった。植民地化に伴って、ヨーロッパから入植した人たちは自然環境を破壊し、多くの種を死に追いやり、外来の植物を持ち込んで
先住民やアフリカ人奴隷に栽培を強制した。

植民地主義は、この地球上のすべては私たちが取り出すためにつくられたものであり、それゆえすべての物を売ったり、買ったりできる――そういう思考だった。この
思考はヨーロッパの入植者がアメリカ大陸に到達し、土地や水、その他の天然資源を盗み、乱用したことによく表れている。

この世に神聖なものは何もない、金で買えない物は何一つない――空気や水や木や動物ですらない――という考えは、植民地主義と共に出てきた。気象災害がどのよ
うにもたらされたのか、この歴史的な発想こそ、その中核になっている。最初の石炭が掘り出される前、いや最初の工場が稼働する前から、気候危機の種はまかれてい
た。そして植民地主義は決して消えることがなく、発展した。

気候変動のルーツが植民地主義にあることに同意できるなら、解決方法は私たちの社会を非植民地化すること、すなわち食糧やエネルギーを採る現在の手法から、共存
の関係を築く方法まで、すべて脱皮していかなければならない。化石燃料から脱却し、有害なシステムを段階的に新しいシステムへと移行していこう。

地球温暖化による気温上昇が2・7度に達するのを阻止するため、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の報告書は、温室効果ガスの排出量を30年までに10年比で
45%削減しなければならないと記した。30年、私は29歳になる。私の夢は大統領選挙に出ることだが、それに十分な年齢(訳注=米大統領選の被選挙権は35歳以上)で
はない。私たちはそれまでに気候が正常化する道をたどらなければならない。

私は一つの願いに駆られている。世界の美しさが生き残って、私だけではなく、次の世代のためにも存在し続けるのを私は見たい。

若者は勉強に熱心に取り組み、将来のために一生懸命学校で準備して欲しいと大人たちが望むなら、私たちに未来があると確信させるように働いてほしい。

私はストライキをしている。なぜなら存在しない将来のために勉強するなんておかしいから。

私は現在のシステムを完全に変更するために、ストライキをしている。私と一緒にストライキをしませんか?(Jamie Margolin)

(訳注=筆者のJamie Margolinは、「Zero Hour」<ゼロアワー、訳注=地球温暖化の抜本的対策を求める高校生など若い人々の運動>の共同創設者)©2019 The New York
Times