https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43065830Z20C19A3000000/

国連事務総長、温暖化に警鐘「不可逆的な影響生じる」
北米
2019/3/29 7:48

世界気象機関(WMO)は28日、2018年の世界の平均気温が19世紀半ば以降で過去4番目に高かったと発表した。
18年を上回る記録は15年以降に集中しており、グテレス国連事務総長は温暖化対策をいますぐ取らなければ
「不可逆的な影響が生じてしまう」として各国政府に迅速な対応を呼びかけた。

WMOのターラス事務局長は、気候変動により「勢力の強い台風やハリケーンが増えている」と指摘した。
さらに、温暖化対策を取らなければ21世紀中に気温が3〜5度上昇し、22世紀には8度上がると予想されると
警鐘を鳴らした。

18年に起きた自然災害の多くは気象・気候に起因するものだったとWMOは分析している。18年に米国を襲った
14のハリケーンによる被害額は総額490億ドル(約5兆4千億円)に上り、気候変動による災害の増加は既に
大きな経済的影響をもたらしている。

日本や欧米を襲った熱波や山火事では1600人が犠牲になった。グテレス氏は今後強烈な熱波の「期間が延び、
頻繁に起きる」と警告した。

グテレス氏は9月の国連総会中に気候変動サミットを開催する。参加する首脳には単なるスピーチではなく
「具体的な計画」を発表するよう強く呼びかけた。